独BASFは7月31日、2018年第2四半期の業績が増収増益となったと発表した。
同社グループの売上高は、前年同期比3%増の168億ユーロとなった。機能性材料部門と石油・ガス部門における販売価格の上昇が牽引役となり、高性能製品部門を除く全ての事業部門で販売量の増加を達成したものの、一部は為替の影響によって相殺された。
特別項目控除前営業利益は、同5%増の24億ユーロとなった。石油・ガス部門の利益が大幅に拡大し、農業関連製品部門と高性能製品部門では微増、化学品部門では微減、機能性材料部門では大幅減となった。
18年上半期の売上高は前年同期比3億700万ユーロ増の334億ユーロとなった。機能性材料部門、化学品部門、石油・ガス部門における販売価格の上昇と、高性能製品部門を除く全事業部門での販売量の増加が寄与した。主に米ドルに関連した為替の影響により、全事業部門で売上高が停滞した。
18年上半期の特別項目控除前営業利益は、石油・ガス部門の利益が大幅に拡大したことから、前年同期比1億6000万ユーロ増の49億ユーロとなった。化学品部門では微増だったものの、高性能製品部門では微減、機能性材料部門と農業関連製品部門では大幅減となった。
18年通期については、売上高と特別項目控除前営業利益の微増、営業利益(EBIT)の微減を予想し、資本コストに対する大幅なプレミアムを見込んでいることから、資本コスト控除後営業利益は大幅減となる見通しとなっている。
18年の世界の経済環境に対する予測は、原油価格を1バレル65ドルから70ドルに修正した。
業績発表の場で同社のマーティン・ブルーダーミュラー取締役会会長は、中国・広東省での新たなフェアブント拠点の建設計画や、8月にバイエル社の事業買収完了を予定していることなどを説明した。
部門別の業績については、化学品部門は、第2四半期の売上高が前年同期比1億ユーロ増の41億ユーロ。モノマー事業本部と中間体事業本部における販売価格の上昇と、販売量の増加が寄与した。特別項目控除前営業利益は前年同期と比べ微減の11億ユーロと高い水準を維持した。この微減は主に工場の再生を実施したことによる固定費の増加が原因。18年上半期では、売上高が前年同期比3%増の84億ユーロ、特別項目控除前営業利益は同6%増の22億ユーロとなった。
高性能製品部門は、第2四半期の売上高が前年同期比で微減の39億ユーロ。全事業本部で米ドルに関連した為替の影響が見られたほか、ニュートリション&ヘルス事業本部とケア・ケミカルズ事業本部における販売量の減少、パフォーマンスケミカルズ事業本部とディスパージョン&ピグメント事業本部におけるポートフォリオ変更の影響が、売上高の停滞につながった。また、販売価格の上昇により、売上高にプラスの影響があった。特別項目控除前営業利益は固定費の減少、利益率の上昇により、前年同期と比べ微増の4億900万ユーロだった。18年上半期では、売上高は前年同期比5%減の79億ユーロ、特別項目控除前営業利益は同4%減の8億7900万ユーロとなった。
機能性材料部門では、第2四半期の売上高は、販売価格の上昇と販売量の増加により、前年同期比5%増の55億ユーロ、特別項目控除前営業利益は、固定費の増加と、原材料価格の上昇による利益率の低下などにより、前年同期を大きく下回り3億3800万ユーロとなった。18年上半期では、売上高は前年同期比2%増の107億ユーロ、特別項目控除前営業利益は前年同期の9億5300万ユーロに対し6億7100万ユーロだった。
石油・ガス部門では、第2四半期の売上高は、販売の上昇により前年同期を大きく上回り、約10億ユーロに達した。新たな油田での生産開始を受けてノルウェーからの販売量が増加したことや、取引量の増加が増収につながった。特別項目控除前営業利益は、大幅増の3億9100万ユーロ。原油、ガスともに価格が上昇し、ノルウェーでは積立金の増額による減価償却費の減少と販売量の増加を記録した。純利益は大幅増となった。18年上半期では、売上高は前年同期比3億ユーロ増の19ユーロ、特別項目控除前営業利益は同4億300万ユーロ増の7億5600ユーロとなった。