独ランクセスは8月3日、2018年度第2四半期の業績を発表した。
18年度の第2四半期の連結売上高は前年同期比6・8%増の18億3000万ユーロ(前年同期17億1000万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは、同3・6%増の2億9000万ユーロ(同2億8000万ユーロ)となった。
好業績の要因は、ケムチュラ社の買収がスペシャリティアディティブス部門に大きく貢献し記録的な四半期業績を達成したことや、原料費の高騰により製品価格を調整したこと、また、ケムチュラ事業の統合によるシナジー効果が収益に好影響を与えたことが挙げられる。特別項目を除いたEBITDAマージンは、為替のマイナスの影響にも関わらず15・9%(同16・4%)と堅調に推移した。
同社は、好調な第2四半期を受けて、18年度通期の業績が、当初予想の予測範囲の上限である前年比10%増に近い値を達成すると見込んでいる。前年度の特別項目を除いたEBITDAは、約9億2500万ユーロだった。
同社とサウジアラムコ社による合成ゴムの合弁会社であるアランセオ部門は、18年度の業績予測には含まれず、今四半期よりランクセスグループの売上高と業績から切り離して報告される。
同社のマティアス・ツァハトCEOは「近年の戦略的決定が効果をもたらしていることは明らかだ」と述べている。
純利益は、1億2600万ユーロとなり、前年同期比で大幅に向上した。前年同期は、特別費用を計上したため300万ユーロだった。純利益の内訳は、ランクセスの4部門が9700万ユーロ、非継続事業であるアランセオ事業が2900万ユーロとなっている。
部門別では、アドバンスト中間体部門は、売上高が前年同期比8・1%増の5億4600万ユーロ(同5億500万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは前年同期と横ばいの9700万ユーロとなった。原料とエネルギー価格の高騰により製品価格をを値上げしたほか、昨年ケムチュラ社買収時に獲得した有機金属化合物事業が業績に貢献した。一方で、為替のマイナスの影響が業績の伸びを抑えた。特別項目を除いたEBITDAマージンは17・8%(同19・2%)となった。
スペシャリティアディティブス部門は、売上高が同15・2%増の5億800万ユーロ(同4億4100万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは同21・3%増の9100万ユーロ(同7500万ユーロ)となった。この好業績の要因は、買収したケムチュラ事業の貢献と事業統合によるシナジー効果によるもの。特別項目を除いたEBITDAマージンは、17・9%(同17・0%)となった。
パフォーマンスケミカルズ部門は、売上高が同3%減の3億5600万ユーロ(同3億6700万ユーロ)となった。物質保護剤ビジネスユニットの二酸化塩素消毒ソリューション事業を昨年売却したため、売上高が減少した。特別項目を除いたEBITDAは同27・5%減の5800万ユーロ(同8000万ユーロ)となった。皮革用化学品ビジネスユニットのクロム鉱石事業の継続する低迷や、為替のマイナスの影響、原料価格の高騰が利益を引き下げた。特別項目を除いたEBITDAマージンは16・3%(同21・8%)となった。
エンジニアリングマテリアルズ部門は、売上高が同10・5%増の3億9900万ユーロ(同3億6100万ユーロ)、特別項目を除いたEBITDAは同12・5%増の8100万ユーロ(前年同期:同7200万ユーロ)となった。この好業績の要因は、特に軽量化構造向けの高性能プラスチックの販売量の増加と、買収したケムチュラ社のウレタン事業の貢献による。特別項目を除いたEBITDAマージンは20・3%(同19・9%)となった。