住友ゴム工業は8月8日、東京・大手町の経団連会館で決算説明会を開催し、池田育嗣社長が2018年12月期第2四半期連結決算の説明を行った。
IFRSによる売上収益は4253億5200万円で前年同期比5・4%増、事業利益は268億8700万円で同23・1%増、営業利益は270億4900万円で同27・4%増、四半期純利益は142億2200万円で同14・4%増の増収増益となった。
池田社長は今決算について「上期は増収増益だったが、期待値はもっと上にあった。中東での販売が回復しなかった事、中国で政府の規制により小売店が閉鎖された影響による販売不振の二つが予測できなかった。ただ、スポーツ、産業品でカバーすることができたので、変化に対して柔軟に対応できた」と述べた。
事業利益については、金額ベースでは前年同期から約50億円の増益となり、池田社長がその増減要因を解説した。
原材料についてはプラス約54億円で、内訳は天然ゴムがプラス約95億円、石油関連資材でマイナス約28億円、その他がマイナス約13億円だった。
価格要因は、原材料価格の高騰を受け国内外市販市場で値上げを行い、1~6月はプラス約57億円となった。数量・構成他は販売数量の減少により、マイナス約29億円だった。
原価要因では、生産性の改善を始めとする原価低減に取り組んだことで直接原価でプラス約4億円。北米や南アフリカ、トルコなど生産能力拡大のための増産投資に伴う固定費の増加のマイナス約23億円となり、原価要因全体ではマイナス約19億円となった。
その他、為替はプラス約1億円、経費の増加でマイナス約32億円、スポーツ事業はプラス約17億円、産業品他はプラス約1億円となっている。
セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は3608億1700万円で同4・2%増、事業利益は206億7500万円で同18・7%増となった。
国内新車用タイヤは、自動車生産台数が前年同期並みで推移したが、低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの拡販により販売数量が増加したため、売上収益は前年同期を上回った。
国内市販用タイヤは、ダンロップブランドでは耐摩耗性能と耐偏摩耗性能を向上させた乗用車用低燃費タイヤ「エナセーブEC204」を発売したほか、「LE MANS Ⅴ」などの高付加価値商品の拡販を推進。
ファルケンブランドでは高い高速操縦安定性能と優れたウエット性能を実現した「AZENIS FK510」シリーズを発売した。また、年初の降雪の影響で冬タイヤの出荷が好調に推移したこともあり、売上収益は前年同期を上回った。
海外新車用タイヤは、欧州、北米のほか、新興国で納入を更に拡大したこともあり、売上収益は前年同期を上回った。海外市販用タイヤは、中近東での政情不安に伴う消費の低迷があるものの、景気の拡大が継続する欧州を中心に販売数量が増加したことに加えて、17年2月に英国タイヤ販売会社「Micheldever Group Ltd.」を取得したことによる英国市場での販売数量の増加により、売上収益は前年同期を上回った。
産業品他事業の売上収益は207億3900万円で同7・7%増、事業利益は20億4000万円で同8・2%増となった。
制振事業では住宅用制震ユニット「ミライエ」の販売が好調に推移し、OA機器用精密ゴム部品では、主要OA機器メーカーのプリンター・コピー機生産増加により、増収となった。インフラ系商材においては、体育施設で民間物件での受注が好調に推移したことに加え、18年1月に国内テニスコート設計・施工会社「スポーツサーフェス」を取得したことにより、増収となった。
通期の連結業績予想については、第2四半期の利益は計画を上回って進行したが、原材料相場の変動などの影響から、当初予想を下回ったことから下方修正した。
売上収益は9000億円で前期比2・5%増、事業利益は680億円で同1・5%増、営業利
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