ブリヂストン ゴム結晶化の観察に成功 耐亀裂性の解明に寄与

2018年08月07日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは8月7日、ゴムの伸長結晶化を世界最高速で観察する基盤技術を確立し、観測に成功したと発表した。天然ゴムと合成イソプレンゴムの耐亀裂性の違いのメカニズム解明に繋がる可能性があると見て、同社はさらに研究を進める。

 天然ゴムは、一般的な合成イソプレンゴムに比べ亀裂が進展しにくく、これにはゴムを伸ばした際の結晶化が関係すると考えられているが、結晶化の過程を高速に観察する技術はこれまでなかった。

 そのため同社では、ゴムを高速で引っ張りながら高輝度X線を照射し散乱を検出する「高速時分割WAXS観察システム」を独自に開発し、世界最高速となる伸長歪速度300s―1、時間分解能1msで、結晶化の過程を観察することに成功した。

 この装置により、天然ゴムと合成イソプレンゴムがそれぞれ伸長する様子を測定したところ、天然ゴムでは13ms後に結晶化が始まったのに対し、合成イソプレンゴムでは19ms後に結晶化が始まり、天然ゴムの方が合成イソプレンゴムより約30%早いタイミングで結晶化を始めることがわかった。天然ゴムと合成ゴムの伸長結晶化の過程の違いを定量的に観察できたのはこれが初めてで、天然ゴムの方が耐亀裂性が高い理由を解明できる可能性が出てきた。

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