日本ゴム工業会は10月28日、ホテル阪急インターナショナル(大阪市)で第295回理事会を開催した。ゴム製品の生産・輸出入状況報告のほか、環境・労務・資材関係の各委員会報告やISO/TC45国際会議の結果報告などが行われた。環境関係では産業廃棄物最終処分量に関し「2001年度実績をベースに、15年度までに90%以上削減」という新たな目標を定めた。
理事会の冒頭、浅井光昭会長は最近の日本経済について触れ「過去20年間におよぶデフレが続く状況で、現在は外交、防衛問題、国内政治の貧困など多くの課題を抱えている。
今ここで政治問題を議論するつもりはないが、我々が努力できる範囲で頑張りたい。最近に思ったことだが、福島原発事故やタイの洪水問題が起こったが、予測が甘くて起こり得るべくして起こったとも言われており、想定外の言葉で片付けるには問題があるのではないか。
日本においては、過去に阪神大震災を経験したが、それに対してのマニュアルが作られたと思うが、過去の経験を活かすこと、これは大変泥臭いことではあるが、大切なことで、早期の復興につながることと思われる。また、将来を見据えた対応が重要で、ありのままを受け止め、各人が努力することが大切だと改めて実感した次第である」などと語った。
このあと議案審議に移り、役員の異動に関する件、本年1―8月期のゴム製品の生産・輸出入状況、続いて平成22年度会員企業の経営指数調査の結果報告が事務局より行われた。
このあと環境関係事項、労務関係事項、安全衛星関係事項、資材関係事項の各委員会報告が行われ、最後に10月16日から21日までの日程で開かれたISO/TC45国際会議の結果概要が説明された。
環境関係の報告の中で、2011年度以降の産業廃棄物最終処分量の削減について、新たな自主行動計画として目標値が定められた。日本経団連から参加要請があり、環境委員会において計画を定めたもので、その第1目標は「廃棄物について減量化、再資源化、適正処理を推進し、最終処分量を2001年度実績ベースを基に15年度までに90%以上削減」とした。最終処分量はフォローアップ調査開始以来、着実に削減されており、今回の自主行動計画でも目標達成したが、主要企業がゼロエミッションを達成するなど限界の努力を続けており、05年度からは削減ペースは鈍っており、現状維持も難しくなりつつある。
なお、第2目標としては「最終処分量原単位は15年度において0・004以下を維持するよう努める」としている。