横浜ゴムは8月8日、カーエアコンシステムの冷却効率を向上させる2重管型内部熱交換器を開発したと発表した。
現在、カーエアコンの冷媒として広く使用されているHFC―134aは、地球温暖化係数が1430と高いため、地球温暖化防止に向け同係数が4と低いHFO―1234yfへの切り替えが進みつつあるが、HFO―1234yfの方が冷却効率が低下する。
今回開発した2重管型内部熱交換器は、この冷却効率低下をカバーでき、従来は別々に構成されていた2本の冷媒配管の一部を一体化して2重管として構成したもので、高温冷媒と低温冷媒の温度差を利用して内部熱交換することでエアコンシステム全体の冷却効率を向上させている。
カーエアコンシステムはエンジンルーム内の狭い空間に配管設計を行う必要があるが、この熱交換器は内部にフィンを配置することで曲げても冷媒の流路が潰れないため、従来のエアコンシステム配管と同様、自由に配管設計を行うことができる。
今回開発した2重管型内部熱交換器は、現行型「ジープ・ラングラー」と「ジープ・コンパス」に採用されている。
同社は、カーエアコン用冷媒規制への取り組みを進めており、今後は北米を中心に販売を強化するとともに、採用拡大に向けて高性能仕様の開発を行うことにしている。。