家入昭・元ブリヂストン社長が死去

2011年05月09日

ゴムタイムス社

ブリヂストン元社長、家入昭氏

 ブリヂストンの元社長、家入昭氏(いえいり・あきら)は4月21日午前6時5分、肺炎のため都内病院にて死去した。享年83歳。東京都出身。 葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は妻、妙子(たえこ)さん。お別れの会を行うが日取りなどの詳細は未定。 1985年~1993年の社長在任期間中の主な業績としては、1991年、ファミリー層などを対象とした大型規模のタイヤ専門店として、「タイヤ館」1号店を出店、現在の小売チャネル展開の礎を築いた。 化工品部門では、1985年にOAローラーの開発に着手、本格的に電材事業へ参入、「電子ペーパー」の開発には、このOAローラーの技術が生かされている。
1990年には、国内第3の化工品工場として、関工場を建設した。 1986年、経営課題として「21世紀に向けて強いブリヂストンづくり」を掲げ、課題達成に向けた中期目標の中で、「1990年代に世界のタイヤ産業のトップスリーに列する」という目標を明確化した。 1988年、タイヤ業界の再編が激しく進む中、米国のファイアストン社を買収、その後は親会社としてファイアストン社の再建に尽力した。ファイアストン買収前の1987年には9・9%(世界第3位)であった グローバルシェアが、1993年には17・9%(世界第2位)まで伸長、強いブリヂストンとして世界に大きく飛躍させた。また、1978年に日本ゴム工業会常任理事就任以来、日本自動車タイヤ協会理事、同協会会長、タイヤ公正取引協議会会長など、ゴム産業に関する主要団体の要職を歴任し、ゴム産業の育成、発展に尽力した。 1990年藍綬褒章、1993年ベルギー王国 王冠勲章コマンドール章、1998年勲二等瑞宝章を受賞した。 荒川詔四社長は「当社元代表取締役社長家入昭殿の訃報に接し、深い悲しみにたえません。要職を歴任したのちに当社代表取締役社長として、国内事業の確固たる基盤を固めるとともに、ファイアストン買収によるグローバル化を推し進められ、当社の発展並びに当社が今日世界一の地位を確立するための礎を構築されるなど大きな貢献をされました。厳しいながらも優しさを秘めたお人柄、たいへんな読書家で海外の原書を時間を惜しんでは読まれていたことなど、秘書課長としてお仕えした在りし日のお姿が偲ばれます。安らかにご永眠されますよう心よりお祈り申し上げます。」とコメントした。

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