信越化学工業は9月3日、主力事業の一つであるシリコーン事業を強化するため、同事業で約1100億円の設備投資を実施することを発表した。今回の投資によって、シリコーン市場における同社のシェアは世界4位から3位に拡大する見通しとなる。
シリコーンの中間製品のモノマーとオイル系・樹脂系・ゴム系の様々な最終製品の生産能力を、国内外の主要な拠点で増強する。
設備投資は2年半にわたり段階的に実施し、モノマーの増強と最終製品の増強を並行して進める計画で、投資の内訳は、モノマーなど中間製品の生産能力の増強に約500億円、最終製品の生産能力の増強に約500億円、その他のインフラや出荷など付帯設備の増強に約100億円を見込んでいる。モノマーについては日本とタイの既存の拠点で、最終製品群は日本など6ヵ国の既存の拠点で、それぞれ能力を増強する計画だ。
シリコーン製品の需要は世界のGDPの平均的な伸びを上回る伸長が見込まれている。同社では、シリコーン製品の需要増に柔軟に対応し、戦略的に重要な事業として今後もシリコーン事業の強化を図ることにしている。
全世界で業績が伸長
同社の昨年度のシリコーンエラストマーを見ると、機能製品に加え汎用製品