住友理工は9月12日、ドイツのベルリンで9月18日から開催される国際鉄道技術専門見本市「Inno Trans 2018」に、鉄道車両用の空気ばねなどを手掛ける住友電気工業と共同で出展すると発表した。同社グループからは欧州で鉄道車両用部品の製造・販売を担う子会社、スミリコ―・インダストリー・フランスが参加する。
この見本市は隔年で開催される世界最大の鉄道見本市で、世界約60ヵ国からおよそ3000社の企業や団体が出展する。前回は14 万人以上が来場し過去最高の来場者数を記録している。
今回、同社は、顧客からの部品調達の現地化要求に応じられる同社のグローバルネットワークを車両メーカーや鉄道部品メーカーに紹介するとともに、ブースでは欧州の車両メーカーからニーズがある液封タイプの防振ゴムの参考出品をはじめ、鉄道車両用防振ゴムのラインアップを展示し、既存の顧客への多彩な製品群の紹介と新規顧客の獲得を目指し、グローバルシェアの拡大を図る。
同社グループは、鉄道用品事業において世界4極生産体制の構築を進めており、すでに生産を行っている日本、中国、欧州に加え、2019年初頭には米国でも本格生産を開始することにしている。同社の鉄道車両用防振ゴムは、1964年の東海道新幹線開業当初から全ての新幹線に採用され、日本国内ではトップシェア(同社推定)で、日本市場で評価されている製品を世界同一品質で生産できることが同社グループの強みとなっている。
同社の鉄道車両用防振ゴムは、鉄道の車両を支える台車部分に取り付けられ、軌道からの振動を大幅に低減するもので、同社の高分子材料技術により生み出された特殊なゴム材料と設計技術により、難燃性・耐候性に優れているのが特徴となっている。日本で現在運行されている新幹線をはじめ国内外の様々な鉄道車両に採用され、走行時の安全性と、車室内の快適性向上に貢献している。