ISO/TC45横浜国際会議の総括

2011年11月07日

ゴムタイムス社

ガスケット、手袋、再生ゴム等 国際標準開発のリード役に

最終日の21日に記者会見

最終日の21日に記者会見

 10月16日から21日の6日間にわたり横浜のパシフィコ横浜で開催されたISO/TC45横浜国際会議が大きな成果を収め閉幕した。17カ国、160人を超える各国代表が参加。日本での開催は2002年の京都会議に続く2回目。 最終日の21日、午後から開かれた記者会見では同会議議長、各分科会幹事から横浜会議の運営、日本の国際標準化活動への姿勢に高い評価を寄せた。
 ISO/TC45は現在420件の規格を保有しており、横浜国際会議では、大小40ほどの会議の中で、約180件のISO規格の審議が行われ、昨年に引き続き、日本が29規格についてプロジェクトリーダーを務めた。
 建築ガスケット、グローブ(ゴム手袋)及びゴム引布など新たに参加した製品分野でもJIS規格とISO規格の整合化に着手しており、プロジェクトリーダーとして国際標準開発をリードした。主要規格の検討結果は次のとおり。
 建築用ガスケット=現在も日本で使用されている規格の廃止提案があり、日本がPLとなり改正案の規格化を行ったが、技術的な修正の指摘はなく、文章上の修正を行った後、DIS段階に進んだ。  使い捨て医療検査用手袋、ポリ塩化ビニル製手袋の仕様=市販の合成ゴム製使い捨て手袋がISO規格からスペックアウトしていることを日本が指摘。日本がPLとなり、現実的な修正案の規格化を行う。PWIに対する参加国の承認を得たのち、CD案作成・投票へ。
 ゴム引布破裂強さ試験、ゴム引布接着試験=JISとISOで試験方法、試験機が異なる。ゴム引き布応用商品の輸出拡大に対応するため、PLとなってJISの試験条件をISOの規定に追加するための改正を行う。
 現行ISO規格とJISを規格の2部制として規格化することが決まった。
 再生ゴムの利用拡大=再生ゴム(脱流ゴム)の評価方法、加硫クラムゴムの評価方法、再生ゴム・クラムゴムの分散性測定法。インドから加硫条件変更の提案あり、インドがPLとなり,ITPを実施する。インドが評価配合、加硫条件の検討結果を来年の会議で紹介。
 海外勢の動向としては、フランス提案のSC3(ゴム用原材料)タスクフォースでは、試験法が複数規定されている規格に対して、その複数あることの正当性、複数試験法の中でどれを標準試験法にするか等について議論されてきた。標準試験法の選択によっては試験機の購入やこれまで長年蓄積してきたデータが使えなくなるなどの問題が発生するため、日本も積極的に議論に加わり国益が損なわれぬよう対応している。横浜国際会議では、精度が高い、あるいは作業者の健康、安全に配慮しているなど、標準試験法の選択のための基準を確認して、SC3タスクフォースの終了が決まった。今後、SC3の各WGで個々の規格について標準試験法の選択を検討していくことになった。

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