関西ゴム技術研修所(山口幸一所長)は9月13日、化学物質評価研究機構大阪事業所で第57回入学式を開催した。研修生47人が9ヵ月間にわたり、ゴムの技術を学ぶ。
あいさつを行った山口所長は「関西ゴム技術研修所は、ゴム技術者を育てることを目的に始まった。研修中に疑問を抱いたら、約20人の運営委員の先生方に聞いたり、この研修所には、山下晋三先生の蔵書が約3500冊あるので、調べてもらうなど大いに活用していほしい」と要望した。
また、山口所長は同研修所の目的のひとつに、横のつながりの重要性を説き、「9ヶ月間で一人でも多くの仲間とコニュニケーションをとって交流を深めてもらいたい。ゴムの技術は非常に幅広いので、ここでゴム技術を学び、また配合、練り、加硫などのゴムの加工技術も学んでほしい」と入学生47人に期待を込めた。
続いて、大阪ゴム工業会の十川利男副会長が「関西ゴム技術研究所は日本で唯一のゴムに関する技術者を養成する機関と聞いている。9ヵ月にわたる長い期間でゴムに関する技術を学び、親交を深めたりすることは、皆様もキャリアにおいて、必ず重要な財産になっていく」と激励し、日本ゴム協会の竹中幹人副会長は「自動車産業のパラダイムシフトのなかで、産業のルールも変わってくる。その時に役立つのが基本的な知識だ。基本的知識を学んでいれば、ルールが変わってときにも応用できるので、ぜひ9カ月の期間を十分活用していただきたい」と入学生にアドバイスした。
この後、研修に関する注意事項などの説明が行われ、山口所長による特別講演「ゴム工業概説」が開かれた。
山口所長はゴムの歴史から話を始め、ゴムの種類や配合剤・充てん剤・補強剤について分かりやすく解説するなど、入学式に相応しいテーマで約2時間にわたって講義、入学生は熱心にメモをとっていた。
講義終了後は研修する建物内の見学を行い、研修生の自己紹介や運営委員の紹介を兼ねた懇親会が開かれた。
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