材料・機械・技術の展示会「エヌプラス」、食の安全・安心を提案する専門展示会「フードセーフティジャパン(FSJ)2018」が9月26~28日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催され、ゴム関連企業も出展した。
◇エヌプラス
◆アキレス
各種機能性ゴム引布を展示した。
展示会初出品となる遮光性・遮熱性ゴム引布は、屋外のテント用途で開発中の製品で、東京オリンピックの待機所や運動会などで活用が期待され、ブース内に実際にテントを設置して来場者に触感や遮光性を体感させた。非遮光性の従来製品に比べ、約5℃の遮熱効果があるという実験結果もパネルで表示した。
合わせて展示した空気膨張式のフロアマット「エアーフロアDS―5」は、8cmの厚さがあり断熱性が高く、広げて空気を入れるだけで容易に組み立てられ、災害時の避難所などの防災用途に使用できる。ゴムボートの底板の製造技術を応用したもので、ポリエステル繊維が上下の生地を連結するドロップステッチ構造により、球状ではなくマット状に膨らむ点が特徴となっている。
窯業系建材やセラミックスのメーカーである同社は、化成品事業の新製品のアピールのため初出展し、機能性マグネシウム化合物類を中心に展示した。
合成マグネサイト「マグサーモ」は、同社が世界で初めて量産化に成功した合成マグネサイト粒子で、海水を原料とし、主にエンジニアリングプラスチックの熱伝導性フィラーに適している。熱伝導性を付与し、耐水性があり、モース硬度が低いため機械の摩耗を大幅に低減させる。
合成ベーマイト「アルキューブ」は、微細で粒子径の揃った立方体状のベーマイト粒子で、プラスチックなどへ充填すると熱伝導性、難燃性、曲げ特性を付与できる。電線や配線用途に向いており、耐酸性が高いため、一般的に用いられる水酸化マグネシウム以上に幅広い分野で使用が可能となる。
◆篠田ゴム
大型プレス成型品を得意とする同社は、新素材、新機能製品をPRするため初出展し、機能性ゴムを多数展示した。
導電性ゴムは、絶縁材として使用されるゴムに導電性を付与した材料で、抵抗値が10の2乗から10の6乗と低く、アースなどの帯電防止用途のほか、プリンターのロールや両替機の紙粉対策など静電気除去にも効果が期待できる。
超低硬度ゴムは、非常に柔らかく復元性に優れ、シール材やクッション材などに向く。
また、金属検知用ゴムは、ゴム部品が混入した際などに金属検知器で発見でき、押出成形が可能なため長い形状など様々な形に加工できる性質がある。
◆日本ゼオン
シクロオレフィンポリマーの開発品や特殊化学品を紹介した。
透明軟質シクロオレフィンポリマーの開発品「L―3PS/LSシート」は、透明で柔らかく、ガラスや金属など異種材料と接合可能で、ガラスの軽量化に貢献するほか、遮水性が高く水による劣化が少ないことから、デバイスの保護用途などにも活用できる。
シクロオレフィンポリマーの開発品「L―24」は、耐熱性や耐薬品性を改善し、高周波に対する電送ロスが少ないため高周波向けの電子基板にも利用可能で、次世代の5Gシステムにも対応する。
特殊化学品では、ゼオローラHシリーズの開発品であるフッ素系溶剤の高純度電子材料用グレードを初展示し、低金属イオン、低パーティクル、低表面張力などの特徴をパネルで大きく表示した。
疎水性エーテル系溶剤「CPME」も紹介し、有機合成の反応溶媒として、溶剤を回収・リサイクルしやすくし、グリーン・ケミストリーに貢献すると説明していた。
◆ホッティーポリマー
FDM3Dプリンター用として開発した軟質フィラメント「HPフィラメント」のスーパーフレキシブルタイプを中心に展示した。会場に用意したプリンターでウサギなどの造形を実演し、ゴム硬度が50~60度と柔軟性が高いことを訴求した。
PEEK製3Dプリンター成形品の受託加工も提案し、切削加工より低コスト化を実現でき、切削加工では難しかった中空加工や細かい加工が可能なことをパネルで示した。
隣接する会場で食品関連の展示が行われていることから、防錆性と柔軟性に優れた食品機械向けのシリコーン製ワンタッチECガスケット「シリコーントリム」SUS製パンチングメタルタイプや、多様な押出製品を紹介した。
◇フードセーフティジャパン
◆アトム
耐切創手袋を中心に展示し、労働安全や衛生安全を重視する製品や、洗剤を使っても劣化しない素材を用いた製品を陳列した。
中でも切創事故から手を守る「ハイパーグリップス」に、食品衛生法適合シリーズがラインアップされたことを特にPRし、超強力ポリエステル繊維を採用した6製品が、耐切創手袋として業界初と見られる食品衛生法適合の認定を今年取得したことを説明した。
ブースに実証コーナーも設け、ハイパーグリップス・シリーズの製品に刃物を当てても非常に切れにくい性能をアピールした。
食品加工用機械の使用時に特殊な化学繊維製の保護手袋などの使用が義務化されていることも紹介し、労働安全衛生規則に沿った保護手袋を提案できることを商品のパンフレットに記載して配布した。
◆ショーワグローブ
耐切創手袋の新製品や、ニトリルゴム製使い切り手袋、各種作業用手袋など食品関連業向けの各種作業用手袋を展示した。
11月に発売予定の「ケミスター・ワイヤーフィット・プラス」は、ステンレスワイヤーと様々な繊維を組み合わせたハガネコイルを採用した耐切創手袋で、食品には少ない青色であることから異物混入のリスクを低減させ、従来品に比べ目が詰まりしっかりした編みあがりとなっている。
新製品の「ケミスターGパーム」は、グラスファイバーとハイマルチフィラメントを組み合わせたデュラコイルを採用し、作業性を向上させ、肌触りの良い耐切創手袋だ。
ブースでは、発売以来好評の耐切創手袋「ケミスター・ワイヤーフィット」にカッターを当てても切れにくい様子を実演し、食肉加工のスライサーでの業務などでインナー手袋として有効だと訴求し、手袋という側面からの品質管理、衛生管理、労働安全対策を提案した。
◆ダンロップホームプロダクツ
ニトリル製の極薄手袋と耐切創手袋を中心に展示した。
粉なしニトリル極薄手袋「BR900」は、強度に優れた
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