東洋ゴム工業は10月5日、除雪トラック専用スノータイヤ「M925」が、2018年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。
同社は、多くの高速除雪トラックが一般的なトラック用スタッドレスタイヤを装着していることに注目し、ドライバーの負担を小さくしながら作業に寄与する除雪車専用スノータイヤを開発。2017年7月に発売を開始した同タイヤは、異形V字状の太い溝を主体とした専用のデザインを採用し、高い駆動性とその性能低下を防止する設計によって氷雪路面でも強力な駆動力を実現した。
今回の受賞に際して審査委員からは「除雪車専用タイヤという発想が新しく、除雪車の使用状況とそのタイヤに求められる条件を検討することによって、独自のトレッドパターンが生み出されている点が、外観ではなく機能から必然的に生み出されたデザインとして評価できる。その一方で、結果的に得られたパターンデザインはその機能をよく表しており、いかにも雪に対してしっかりグリップしそうな印象があり、外観的にも魅力が生まれている。デザイン面での判断が難しい傾向のある商用車用タイヤだけに、目に見える性能を表現した技術は説得力があった」と評価されている。
冬場の高速道路における除雪作業は、除雪トラック前部に取り付けたプラウと呼ばれるブレードを用いて路肩方向に寄せる、高速除雪作業が主流となっている。除雪トラックの多くは一般的なトラック・バス用スタッドレスタイヤを使用しているが、接地面内の雪を後方に蹴り出すことから得られる駆動力には限界があり、雪の大きな抵抗を受けて車両を直進させることが難しい高速道路での作業には熟練したドライバーの高いスキルが必要な上、タイヤ溝内の排雪効果などに課題があった。