東海カーボン 東海カーボンCBとのシナジーを追求

2018年10月18日

ゴムタイムス社
東海カーボンCBについて説明する真先隆史カーボンブラック事業部長

東海カーボンCBについて説明する真先隆史カーボンブラック事業部長

 東海カーボンは10月16日、長坂一社長はじめ、真先隆史カーボンブラック事業部長らが出席して記者懇談会を開催した。

 最初に長坂社長は、「17年11月に黒鉛電極生産工場を買収、本年5月に韓国東海カーボンを完全子会社化。そして、9月にはカーボンブラック生産米最大規模のシド・リチャードソン買収するなど、短期間で3つの買収を実施し、この1年強で会社が大きく変わった」と現況を説明し、「既に来年スタートする新規中計を策定している。今後の成長をどう描いていくのか期待して欲しい」などと述べた。

 続いて、真先隆史カーボンブラック事業部長が東海カーボンCB(旧シド・リチャードソン)の買収について説明した。

 東海カーボンCBは米国内に3工場を有し、総生産能力44万トンと米国内ナンバーワンのカーボンブラック・サプライヤーで、米テキサス州フォートワースに所在する。2017年12月期の売上高実績は約3億ドル、EBITDAは約3800万ドルで、18年には売上3億8700万ドル、EBITDA5000万ドルを計画している。買収により、同社の生産能力は年間93万7000tとなり、世界4位の地位を確立したことになる。

 北米はタイヤメーカーの投資計画も多数公表されており、今後5年間のタイヤ生産の成長率は年率約3%と予想されるなど需要は堅調に伸長する一方、生産量は環境規制強化の流れなどにより増加しない見込みから、需給ギャップのプラス幅が拡大していくと同社ではみている。

 東海カーボンCBは創業以来タイヤメーカーを中心に欧米ユーザーに加え、日系ユーザー向けにも確固たる顧客基盤を築いており、同社買収により、北米市場の取り込みが可能となるほか、北米の生産拠点確保によるタイヤ・ゴム部品メーカーへのグローバルな供給体制の整備や、欧米ユーザーとのグローバルな取引拡大が可能になる。

長坂一社長

長坂一社長

 今後は「顧客の多様なニーズにマッチする特殊グレードを供給し、特殊品の比率を高め、最先端設備による高効率生産技術の共有などにより、技術シナジーを追求していく」方針だ。課題には「約1億ドルとなる環境投資コストを価格に転嫁していくための理解を得ていくこと」を挙げた。

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