北米のカーボンブラックの需給が逼迫している。
東海カーボンが先日開催した記者懇談会の中で、真先隆史カーボンブラック事業部長が、北米のカーボンブラックの需給状況について説明した。
説明によると、北米のカーボンブラックの需給は逼迫しており、足元の2018年においても既に需要が生産を上回っている状況だという。2021年にはプラスギャップが更に拡大する見込であり、「このギャップは輸入で埋めるか、増産対応していくしかない」という。
現在、北米では年間20万t程度の輸入を継続的に行っているが、「米国において既存のカーボンブラックメーカーが増産することは難しい環境にある」とのこと。
その理由については、2007年に米国の環境保護庁が大気汚染防止法にもとづき、米国に拠点のあるファーネスブラックメーカー5社に対して、環境基準を満たすための設備投資を要求したことにある。
これにより、2013年にキャボット、2015年3月にコンチネンタル、2017年にオリオン、コロンビアンが制裁金と設備投資の水準などに関して合意。東海カーボンCBも制裁金に加え、環境対策費用、追加設備などに1億ドルの投資をする
新設、増設には環境対策費用などがかかるため、「需要が増加しても、工場の新設、増設は事実上不可能に近い」とし、今後も需要サイドにとって、不安定なマーケットが続くと分析した。
全文:約609文字