エボニックジャパンは10月23日、ドイツのエボニックインダストリーズが、米国サウスカロライナ州でタイヤ業界向け湿式シリカの製造を開始したと発表した。
北米におけるタイヤ業界のシリカに対する需要増大に応えるため、約1億2000万ドルを投じて新工場を建設した。自動車産業ではタイヤの転がり抵抗と濡れた路面でのグリップ力、両方の性能を改善する高分散性湿式シリカのニーズがある。
新工場ではSUV用低燃費タイヤ向けの新製品「ウルトラシル7800GR」を製造する。同製品は比表面績が大きく、加工性にマイナスの影響を与えずにトレッドコンパウンドの剛性を出すことができるため、特にSUVに適しており、アメリカがその主要なマーケットだ。同工場建設により創出される新規雇用は40以上にのぼる。
エボニック・インダストリーズ取締役会副会長のハラルド・シュヴァーガー氏は「新工場はタイヤ業界における私たちのグローバルパートナーとしての地位を強固にするための大切な一歩です」とし、「シリカ事業を拡大していく上で、私たちは明確な戦略に従っている。J・M・ヒューバー社によるこれまでの活動を引き継ぐだけではなく、さらにシリカの生産量を拡大し続けていく」と述べている。
エボニック・リソースエフィシエンシーGmbHの取締役会メンバーであるヨハネス・オーマー氏は「ここから地元のお客様に革新的な製品やカスタマイズドソリューションを提供したいと考えている」とコメントしている。