世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は10月26日、天然ゴムの持続可能な生産と利用のための新しい枠組み「グローバル・プラットフォーム・フォー・サステナブル・ナチュラル・ラバー(GPSNR)」が発足したと発表した。
新たな枠組みは、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)が昨年11月からタイヤ産業プロジェクト(TIP)で検討していたもので、GPSNRへの参加を表明したのは、TIPのメンバーであるブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、東洋ゴム工業、ミシュラン、グッドイヤー、コンチネンタル、ピレリ、ハンコックタイヤ、クーパータイヤ、クムホタイヤの11社に加え、フォード・モーター・カンパニー、ハルシオン・アグリ、伊藤忠商事、キラナ・メガタラ、SIPEF、Socfinグループ、サウスランド・グローバルの計18社で、タイヤメーカーのほか天然ゴム生産者、商社、車メーカーが含まれる。
約7割がタイヤに使用される天然ゴムの生産量は年々増加傾向にあり、過去40年間で3倍に増加し、その影響として森林減少や地域住民の権利侵害などの環境・社会問題が懸念されている。今回設立されたGPSNRは、天然ゴムの生産や利用が、より自然環境や社会的課題に配慮した方法で行なわれることを目指す。
GPSNRの設立に協力したWWFは、GPSNRが今後はTIPの枠を超え、天然ゴムの生産者、加工企業、自動車メーカー、NGOなどがサプライチェーンを通じて協働してトレーサビリティーを確立し、より高い持続可能性を実現することを期待するとしている。