BASFは10月30日、2018年第3四半期の業績は利益は前年同期を下回ったが、増収となったと発表した。
売上高は156億ユーロで前年同期比8%増となった。その要因は、全部門で販売価格が上昇した。また、販売量の増加と今年8月にバイエルの事業を買収したことも増収につながったが、為替の影響により、一部相殺された。
主に化学品部門からの利益が大幅に減少したことから、特別項目控除前営業利益は2億3200万ユーロ減少し、15億ユーロとなった。機能性材料部門、アグロソリューション部門でも特別項目控除前営業利益は大幅減となったが、高性能製品部門では微減にとどまった。「その他」に分類される事業の増益が、これを一部埋め合わせる形となった。
営業利益(EBIT)に関しては、前年同期には特別項目が1億2200万ユーロだったものの、今期はマイナス7500万ユーロとなった。バイエルの重要事業や資産を買収したことに関連して発生した統合コストに加え、事業再編関連費用も影響を与えた。前年同期には皮革用化学品事業をStahlグループに譲渡したことで生じた高性能製品部門の特別所得が含まれていた。そのため、今期のEBITは前年同期比で4億2900万ユーロ減少し、14億ユーロとなった。利息・税金・償却・控除前利益は、前年同期比で2億5400万ユーロ減の23億ユーロ、EBITDAは4億6500万ユーロ減の22億ユーロとなった。
2018年通年の見通しについては、今年9月の自動車産業における動向により、工業生産の成長率が予想を下回った。欧州では新たな排出基準が導入されたことで、影響が出ている他、米国と中国の貿易摩擦の影響も出始めている。これが特にアジア、主に中国における経済成長の鈍化につながっている。
こうした状況を踏まえ、同社グループではWintershallとDEAの統合合意書に調印後、2018年通年の見通しを修正した。それによると、同社グループの売上高は微増、特別項目控除前営業利益は微減、営業利益(EBIT)は大幅減と予想している。