東洋ゴム工業は11月1日、三菱商事と資本業務提携を締結したと発表した。三菱商事は東洋ゴムが実施する第三者割当増資を引き受け、出資比率を現在の3・05%から20%に引き上げ筆頭株主になる。東洋ゴムは増資で得る資金を新生産拠点の建設や米国・マレーシア工場の生産能力増強に充てる方針で、海外タイヤ事業のさらなる強化を図る。
今回の業務提携により、両社は販売力強化、技術力強化、リソース強化の各テーマで協働することに合意しており、今後は協力体制を強化してシナジー効果の最大化に取り組んでいく。
今回の提携内容に関しては、まず販売力では、地域別(日本、中国、欧州、中東・アフリカ、アジア)に三菱商事と共同タスクフォースを立ち上げ、三菱商事グループのグローバルネットワークを活用し、販路開拓や営業強化、物流強化、オペレーション強化等の施策に取り組んでいく。
一方、技術力に関しては、驚きのある商品を実現する開発力・技術力のさらなる進化を目指すとともに、将来のモビリティ社会を見据え、①次世代の材料研究(新機能性ゴム、サスティナビリティー材料等)、②生産技術の先行開発(次世代加硫機・ゴム練機等)、③AI・IoT技術の活用(工場自動化、次世代タイヤ等)等、3つのテーマに沿った外部連携の取組みを三菱商事とともに推進する。
また、三菱商事グループのネットワークを幅広く活用した先行研究・素材開発・技術開発の促進、原材料調達、そして新たなビジネスモデルの開発に挑戦し、独自の技術基盤をより強固にしていく。
リソースでは、グローバルな販売力の拡大、及び中長期的な経営基盤の強化に向け、同社及び同社グループの国内外販社では、営業人材、コーポレート人材を三菱商事から出向者として受け入れる予定で、事業経営の推進と経営基盤の強化に向けた人的リソースの強化をより一層図っていくとしている。