BASFは11月2日、ダンロップのテニスラケット「CX」シリーズのソニックコアに、同社の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子「インフィナジー」が採用されたと発表した。
現代のテニスはよりスピンをかける傾向があり、ラケットの先端部分でボールを打つケースが多く、大きな力でスイングするため、プレーヤーの腕に余分な負荷がかかる。ダンロップの研究チームはこの傾向に注目し、これらの課題を解決するための新たなイノベーションとして、ソニックコアに同社のインフィナジーを採用した。
インフィナジーは、優れたクッション性、反発性、パフォーマンスを備えた世界初の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子(E―TPU)で、この素材製のソニックコアは心地よい打感をサポートする。
材料試験では、ダンロップの既存のソニックコア素材に対して跳ね返りの高さが46%増加し、ボールスピードが2%速くなることを示している。優れた反発特性に加え非常に優れた減衰特性も有し、標準的なカーボンファイバーラケットに比べて最大37%まで振動を低減する。
ダンロップブランドを展開する住友ゴムグループの井川潔・テニスビジネス部部長は「2019年モデルのCXシリーズは当社の主力製品で、プレーヤーのニーズを念頭に設計されている。新シリーズは、あらゆる世代と能力のプレーヤーに選択肢を提供し、より広いスイートエリアを提供するだけでなく、より大きなパワー、コントロール、スピンを可能にすることで、プレーヤーの皆様のテニスへの情熱を高め、上達に寄与する」とコメントしている。
また、BASFグローバル・ビジネス・マネジメント・インフィナジー部門の責任者、ジェン・ピーター・ディエルセン氏は「私たちの目標は、耐久性、クッション性、スピードを最大化することであり、業界の新たなベンチマークとなるパフォーマンスの向上を実現した」と述べている。
CXシリーズは、ダンロップのツアーチームのプレーヤーに支持されており、複数のグランドスラムのファイナリストであるケビン・アンダーソン選手も使用している。