BASFは11月16日、BASFベンチャー・キャピタル社(BVC)が、上海の3Dプリント製品の大手プロバイダであるプリズムラボ社に投資すると発表した。
プリズムラボ社は、高速印刷、高精度印刷、低コスト印刷を特徴とする特許取得済みの印刷プロセスを開発した企業で、今回の投資についてBVCのマルクス・ゾリビーダ・マネージングディレクターは「今回の投資は中国企業への初めての直接投資で、プリズムラボ社の先駆的な技術により、医療用補装具や解剖学的模型のように規模が大きく安定した部品が初めて3Dプリントできるようになる。この投資は、私たちの技術開発を積極的に推進し3Dプリント分野での製品提供を拡大するというBASFの戦略をサポートするものだ」と述べている。
プリズムラボ社が開発したピクセル解像度強化技術は、光硬化性樹脂を用いて大きな部品を製造する際も印刷速度を落とすことなく印刷解像度を向上させるもので、大型の部品や多数の部品を同一製造工程で印刷することに寄与する。この技術はまた、LCDライトの使用によりプロセスコストが削減できるため、靴産業や家具産業にも活用できる。このほか、歯列矯正装置、医学用や教育・訓練用の解剖学的模型など様々な用途に応用できる技術を持っている。また、プリズムラボ社は3Dプリンタの販売や関連サービスの提供も行っている。
BVCは、2001年に設立され、ヨーロッパ、アメリカ、中国、イスラエルにオフィ スを設け、新たな企業やファンドへの投資を通してBASFに新たな成長の可能性をもたらすことを 目的に、主に化学製品、新素材、ソフトウェア、サービス、幅広い化学分野における革新的でデジタルなビジネスモデルを中心に投資を行っている。