独ランクセスは11月27日、ドイツ・レバクーゼンのイオン交換樹脂の製造設備に数百万ユーロを投資し、プロセス技術と稼働効率の最適化を図ると発表した。このプロジェクトは2019年上半期に完了する予定。
同社経営委員会のメンバーであるレニェー・ファン・ラッセル氏は「当社のイオン交換樹脂ビジネスでは、多くの未来志向の産業に大きな可能性を見出しており、当社は自社の技術を最適化することで貢献していく。今回の投資でレバクーゼン拠点をドイツの製造活動の中心として一層強化する」と述べている。
イオン交換樹脂は、液体中の不適切な物質を吸収するポリマービーズで、電池の製造に不可欠なリチウムやニッケル、コバルトなどの金属を抽出する際に用いられ、電気自動車の普及に伴い需要が高まっている。家電用途では、食器洗浄機用硬水軟化剤や家庭用水濾過装置のカートリッジで水道水から不要なカルシウムやマグネシウム塩、鉛イオン、銅イオンなどを除去するのに使われる。発電所では、プロセス水や蒸気の高純度化に使用されており、設備内のスケール付着や腐食を防止し、施設の効率性を高めるほか、安全な稼働や耐用年数の向上に寄与する。また、地下水や工業廃水から有機汚染物質を除去したり、水銀やカドミウムなどの無機重金属を除去したりすることにも用いられる。