ブンカゴム(東京都墨田区、市原克己社長)の現況は、通常品は前年並みの動きだったのに対し、独自のゴム配合を駆使して開発した「特殊ゴムロール」が少しずつ増えていることから、今期業績は前年同期を若干上回って推移している。
特殊品としては、高強度・耐摩耗ロール「マイティーA」、ゴミ取り粘着ロールの「クリーン・ダッシュ」、高導電性ロールの「ボルタックス」、高摩擦係数(スリップ防止)の「マイタッチ」シリーズなどを展開している。このうち、マイティーAは合成ゴムの特性を生かした特殊配合で高強度、耐摩耗性、耐圧力性、耐熱性などの特性を持たせることにより、製鉄向けや一般工業向け、グラビア印刷向けなどさまざまな用途で使用可能なロールとなっている。
また市原社長によると、「ロールを使う生産現場のオペレータはロールのことを勉強している。特に最近は製造コスト節減などを目的に、従来に比べて長持ちするロールを求める顧客が増えている」という。こうした顧客の要望に応えるべく、同社では配合をアレンジしたり、改善したりして顧客の使用条件に適したロールを開発し提案。こうした施策が奏功して特殊品が売上高に占める割合は3~4割となり、10年前に比べ