㈱ニチリンの2011年12月期第1四半期連結決算は連結売上高が88億円、前年同期比1・1%増、営業利益は3億8800万円、同1・8%減、経常利益は4億3200万円、同1・8%増、四半期純利益は2億5300万円、同3・9%増となった。
同社グループの主要事業分野である自動車の国内販売は、環境対応車に対する購入補助制度終了の影響により低迷が続いており、国内四輪車生産は、震災前においては新興国を中心とした輸出に支えられ前年同期水準を維持したが、震災発生後の3月度国内カーメーカーの生産は、工場損壊や部品不足により完成車組立が困難な状況となり、大幅な落ち込みとなった。
所在地別セグメントでは日本は中国、アセアン地域を中心とした輸出が堅調に推移し、震災の影響が軽微であったことにより、売上高は66億8300万円(前年同期65億1600万円)となり、利益面は、円高の定着により営業利益は1億500万円(前年同期1億7600万円)となった。
通期の業績予想については東日本大震災による人的被害および建物・工場設備への被害はなく、また、原材料等の調達においても、その影響を最小限とすべく、代替品等の準備を進めるなどの対策により、影響はごく軽微であったが、自動車産業では関東や東北地方からの部品調達の滞りから、自動車生産の縮小は国内のみならず海外にも及びつつあり、震災以前の生産水準に戻るにはまだ時間がかかるものと思われる。このような状況下、第2四半期以降、国内カーメーカーの生産正常化に至るまでの期間は、同社グループの売上高への影響が懸念されるが、生産縮小の影響額を正確に把握するのは困難とし、前回公表の業績予想は変更していない。
2011年05月16日