試乗で力強い安定性体感 横浜ゴム新ブルーアース

2018年12月07日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは11月28日、2019年2月から発売する低燃費タイヤの新製品「ブルーアースGT・AE51」の試乗会を神奈川県の箱根大観山で開催した。

 このタイヤは、同社の低燃費タイヤであるブルーアース・シリーズの中でも優れたウェットグリップ性能が好評だった「ブルーアースA」の後継モデルで、ミドルクラスセダンをメインターゲットに「走行性能、快適性能、環境性能の全てに優れるグランドツーリングタイヤ」をコンセプトとして開発された。

ブルーアースGT・AE51

 試乗会に先立ち、タイヤ技術統括の野呂政樹取締役常務執行役員は「当社は新中期経営計画でプレミアム市場におけるさらなる存在感の向上を掲げ、技術開発、製品開発を進めている。今回の製品はそのスタートに当たる。走行性能の高さを感じて欲しい」と挨拶した。

挨拶する野呂取締役

 続いて、消費財製品企画部の小畑恒平製品企画1グループリーダーが、開発の背景を「低燃費タイヤでありつつも、ミドルクラス車の受容性に応える必要がある」とした上で、従来品のウェット性能を確保しながら低燃費性能を向上させたことを説明し、ウェットグリップ性能は全57サイズで国内ラベリング制度の最高グレードである「a」を、ころがり抵抗性能は31サイズで「AA」、26サイズで「A」を獲得したことを紹介した。

 試乗会は、穏やかなカーブと緩やかな勾配が続くアネスト岩田箱根ターンパイクで実施された。比較のためレクサスGS300hが2台用意され、まず従来品「ブルーアースA」を装着した車に乗った後、新製品「ブルーアースGT・AE51」を装着したもう一方の車に試乗したところ、新製品のGTの方が直進の際に力強い安定感を発揮しカーブで高いグリップ力が体感できたほか、特に車線変更直後の車体のリカバリーの早さで圧倒的にGTが勝っていた。同乗したタイヤ第一設計部の友松亮一氏に理由を伺うと、滑らかな接地形状と接地圧の均一化を図ったトレッドプロファイルによりGTの方が接地面積が広いことや、歪み低減プロファイルによりサイドの歪みが小さいこと、ターンアップカーカス構造によりカーカスをショルダー部まで巻き上げているため周剛性を高めていることなどが高速安定性、力強さ、ふらつきの抑制に寄与しているという。

力強い走行安定性を発揮

 この後、同製品を装着したトヨタ・ヴェルファイアにも試乗し、セダンだけでなくミニバンタイプの車でも安定した快適な走行性能を実感することができた。

ミニバンでも快適な走りを実感

 この新製品は、トヨタ自動車の新型「クラウン」や新型「シエンタ」、海外向けの「カムリ」「レクサスES」の新車装着タイヤとして納入が始まっており、同社は、欧州のミドルクラスのセダンを中心に採用拡大を見込むと同時に、走行安定性を求めながら長距離ドライブを楽しむユーザーへの販売を目指す。

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