宇部興産は12月10日、新規抗RSウイルス薬の創製に関する創薬プログラムについて、塩野義製薬と共同研究契約を締結したと発表した。
RSウイルス感染による呼吸器感染症は、2歳頃までにほぼ100%の人が少なくとも1度は罹患し、生涯にわたり感染を繰り返す疾患となっている。特に生後数週間~数ヵ月間の時期においては、母体からの移行抗体が存在するにも拘らず、下気道の炎症を中心とした重篤な症状を引き起こす恐れがあることが国立感染症研究所から報告されている。抗RSウイルス薬は未だ存在しないためアンメット・メディカルニーズが高く、有効かつ安全性の高い治療薬が求められている。
両社は低分子創薬に強みを持ち、感染症を重点疾患領域とする塩野義製薬の創薬力と、有機合成力に支えられた宇部興産の化合物デザインをもとに、構造活性相関(SAR)研究における相乗効果を高めることで、新規抗RSウイルス薬の開発候補化合物を早期に創出し、患者に治療薬を届けられるよう努めることにしている。