本紙は昨年10月時点でゴム関連の原材料メーカー、製造企業、卸商社を対象に「2019年の景況見通しと業績予想」に関するアンケート調査を実施し、74社から回答を得た。その結果、19年の景況見通しについては「変化なし」が約3割で最多となり、景気の足踏み感が強まっていることがわかった。次いで「緩やかに回復」と「やや明るい兆しが見える」が2割強で並んだが、「拡大基調」と合わせ、景気が回復傾向にあると見ている企業は約半数に留まった。
◆19年の景気見通し
19年3月までのゴム業界の景気見通しについての設問では、「変化なし」が27・8%、「緩やかに回復」と「変化はないがやや明るい兆しが見える」がいずれも23・6%、「緩やかに下降する」が18・1%、「拡大基調となる」が5・6%、「悪化する」が1・4%という回答結果だった。
景気が回復もしくは拡大傾向だと回答したのは合わせて52・8%となり、前年の同じアンケートでの79・9%から大きく減少し、19年は景気が停滞するという観測が強まった。
12月の日銀短観によると、大企業・製造業の業況判断DIはプラス19で9月調査から横ばい、中堅企業・製造業はプラス17で9月調査に比べ2ポイント改善、中小企業・製造業はプラス14でやはり9月調査から横ばいとなった。
また、内閣府の発表する景気動向指数は、18年9月に「改善」から「足踏み」に基調判断が変更され、その後も据え置かれているほか、財務省の法人企業景気予測調査によると、19年1~3月の国内の景況判断BSIは、製造業では大企業が2・7%ポイントとプラスなのに対し、中堅企業がマイナス0・7%ポイント、中小企業はマイナス8・3%ポイントとなっている。
今回のアンケート調査の対象は中堅・中小企業が多いことから、景況感はこうした指数や統計と同じような傾向となったと言えるだろう。
◆景気の判断理由
景気見通しの判断理由(複数回答可)としては、「企業収益の動向」が27・3%で最も多く、「設備投資の動向」が15・6%、「雇用情勢の動向」が11・2%、「公共投資の波及効果」が8・9%となった。
主要上場ゴム関連企業21社の2019年3月期第2四半期は、好調な海外経済や国内の設備投資が旺盛なことから、増収企業は16社と8割近い企業が増収となったが、原材料高や為替の影響などで、営業利益、経常利益、四半期純利益の総計がともに対前年同期を下回り、営業減益となった企業が12社で前年同期の8社から4社増えるなど、ゴム関連企業の業績は陰りも見え始めた。こうした業績が