謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年中はご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は天然ゴムや原油・ナフサの価格高騰などにより、年間を通して製品価格の値上げが続きました。
ゴム相場については、1月に200円台で幕を開けた東京ゴム相場の当限終値は下落基調で推移し、11月には140円を割り込むなど、低位安定の状況が続いています。
こうした中、上場ゴム企業では、原材料価格の上昇で利益が圧迫される企業も見られたものの、世界経済の回復基調を背景に増収となる企業が大幅に増加しました。
ゴム製品の需要状況としては、国内では、自動車生産が回復し、建設機械や工作機械などが概ね堅調を維持し、東京オリンピック関連のインフラ整備も進んでいることで、比較的良好と言えました。
海外も、米中貿易摩擦などの懸念材料はあったものの、アメリカの国内景気は底堅く、中国やアジア市場は全般的に堅調、欧州や南米の自動車市場が回復傾向にあるなど、全体的に見るとこちらも良好だったと言えます。
今年に目を転じると、様々な事業環境の変化が予測される年となりそうです。働き方改革が進み4月から有給休暇の取得が義務化されるほか、5月には皇太子さまの即位、10月に消費税増税が予定されています。これらに加え、各国の外交政策の変化や、気候変動・自然災害への備えも求められるでしょう。持続可能な開発も今やグローバルなニーズとなっています。
歴史あるゴム産業がこうした変化に柔軟に対応し、労働力の確保などの課題を乗り越え、なお一層の進化を遂げて、今後も社会に貢献していくことを願ってやみません。
弊紙は報道機関の一端を担う立場として、今年も正確で迅速な情報提供を肝に銘じ、ゴム・樹脂業界の健全な発展向上に微力を傾注して参る所存です。
今年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
ゴムタイムス社
社長 稲垣幸一