【新年インタビュー】日本ゴム工業会 池田育嗣会長

2019年01月01日

ゴムタイムス社

■ 新年インタビュー

技術を磨きゴム産業を活性化

日本ゴム工業会 池田育嗣会長


 

池田会長

池田会長

 「技術を磨くとともに新たなイノベーションを創出できる基盤構築」を目指す日本ゴム工業会の池田育嗣会長(住友ゴム工業社長)に19年のゴム産業と今後の運営課題を聞いた。

◆会長就任後、半年を経てのご感想を。

 改めて感じたことは、大企業から中小企業まで様々な会員様がおられ、生産品目もタイヤから工業用品まで幅広く、会員各社ごとに多様な要望、ニーズがあるということですね。

 ゴム工業会の会員数は102社、日本のゴム産業の製造会社が約2000社であり、その約5%強が我々の正会員です。総生産量の約9割、総従業員数は全体の7割を占め、主要ゴム産業をほぼ網羅しています。

 日本自動車タイヤ協会はタイヤメーカーだけの集まりであり、課題も共通して明確ですが、ゴム工業会では中小、大企業が混在し、製造品目もいろいろあります。ニーズの多様性があり、個人的には大変やりがいがあり面白いと思っています。こうしたニーズを掘り起こしていけば、日本のゴム産業自体を活性化していくことになります。その結果をきちっと発信していくことが私の役目だと思っています。

◆具体的な活動状況を。

 業界共通のテーマとして、地球温暖化対策、廃棄物削減、化学物質対策などの環境課題、国際規格を含む製品や技術規格の標準化、持続可能性への対応などいろいろなことを挙げています。安全については、大企業、中小企業に関係なく、作業環境の安全レベルを上げるべく一昨年から「KY(危険予知)」活動を実施しているほか、食品容器包装におけるポジティブリストの検討が課題となっています。

 規格の国際標準化についても日本の優れた技術を守るべく「S―SBRの試験方法」や「バイオベース度」に関する規格提案を行ってきました。S―SBRでは日本がリードしており、規格化により日本の技術を守ることにもつながります。

 環境対応では廃棄物のゼロエミッションはじめVOCなどの溶剤の排出削減についても数値目標をクリアしており、順調に推移しています。CO2削減に関しましては、生産現場ではコジェネレーションを導入しての削減活動を行ってきました。また、製品についても取り組んでおり、低燃費タイヤではライフサイクルでCO2削減に取り組んでいますが、タイヤ以外のゴム製品でも、ライフサイクルでのCO2削減に貢献できる指標等が導入できればと思っています。

◆タイヤリサイクルの進捗状況は。

 廃タイヤのリサイクルについては、バイオテクノロジーを使ったゴム材料を使用するなどライフサイクルアセスメントを重視する

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