【新年インタビュー】ランクセス 辻英男社長

2019年01月10日

ゴムタイムス社

■ 新年インタビュー

添加剤強化、車軽量化に貢献

ランクセス 辻英男社長


 

 収益性の高い特殊化学品に注力する戦略で好業績をあげるドイツの化学品メーカー、ランクセス。合成ゴム事業のアランセオ売却後の事業展開や今年の展望を、日本法人の辻英男社長に聞いた。

 ◆アランセオについて。

 当社が株式を50%保有していたが、19年からはサウジアラビア国営石油会社であるサウジアラムコの完全子会社となる。今後は別会社となるが、現地法人のない海外拠点ではランクセスが代理店としての契約を継続し、日本国内でも従来通り当社が代理店となりアランセオの製品を扱うので、これまでと変化はない。合成ゴム事業は、相場の影響を受けない中規模の市場にフォーカスし、健全な財務体質を形成するという新たな事業方針により、切り離すこととなった。一方、アランセオは垂直統合による原料調達の優位性、強固な財務基盤により、安定的に事業活動を推進できる体制を整える。ランクセスは、中規模な市場として添加剤に注力しており、タイヤ等のゴム製品への添加剤の部門は当社に残している。ラインケミービジネスユニットが扱う製品にも変化はなく、ゴム薬品のマスターバッチや、高性能ブラダーとそれに付随する離型剤などの事業も引き続き展開する。

 ◆18年を振り返って。

 18年12月期の売上高は、円ベースで前年比、予算ともプラスとなり、良い1年となった。17年に米ケムチュラ社の事業を統合したシナジー効果が表れ、難燃剤や潤滑剤の分野への事業拡大が進んだ。当日本法人もケムチュラ事業の上乗せなどにより販売量そのものが伸び、増収となった。10ある事業部が全て増収となっている。増収に最も貢献したのは添加剤で、アランセオもタイヤメーカーの好調に乗る形で売上が伸びた。

 18年は添加剤と難燃剤に注力したほか、高機能プラスチックによる自動車軽量化のソリューションを提案した。また、酸化鉄など

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