■ 新年インタビュー
新商品「IHX」の拡大目指す
ニチリン 前田龍一社長
2020年を最終年とする中期経営計画「NGS2020」の第2フェーズが昨年スタートしたニチリンの前田龍一社長に国内と海外拠点の状況や第2フェーズの骨子、設備投資などを聞いた。
◆18年12月期業績は。
海外では米中貿易摩擦の影響、国内も災害が相次ぎ発生し、不安定な1年だった。ただ、業績はまずまずで、18年12月期は売上、営業利益、経常利益は前期を上回る見通しだ。
◆地域別の現況は。
国内は当社顧客向けの国内販売が一部のメーカーで減少に転じたものの、VW向けのパワステ(PS)ホースやベトナム向けの部品など輸出が牽引し、売上全体は3%増となった。
海外では、中国はカーエアコンホースが拡大傾向にあり、売上・利益とも前年を上回った。またアセアンはインドネシアやインドの通貨安で見かけ上売上は減ったが、二輪車向けで商品群を拡充し、利益は伸びている。
北米では新商品IHX(内部熱交換器)の量産が開始された一方、主力のPSホースの需要減少で売上は減少した。
欧州は2018年8月に完全子会社化したNSS(ニチリン・スペイン)で新たなビジネスが始まる予定だったが、顧客の生産開始が遅れた。ただ、PSA(プジョーシトロエン)グループ向けで新規商権を獲得しており、2019年は期待している。
◆第2フェーズの骨子を。
1つ目は既存ビジネスを拡大すること。特に二輪車向けではブレーキホースの受注拡大を目指している。二輪車では安全性を高
全文:約1450文字