三菱商事は12月14日、ドイツ イーエルジー・ハニエル社から、炭素繊維の再資源化事業会社であるイーエルジー・カーボン・ファイバー社の株式の25%を取得し、事業参画に合意したと発表した。
炭素繊維は日系メーカーが約7 割の製品供給を担う本邦を代表する先端素材であり、鉄の4分の1の重量ながら、強度は10倍以上を有する素材として、高強度且つ軽量な素材を必要とする航空機、風力発電等の産業で活用されている。
また、内燃機関車の排ガス削減や電気⾃動車の航続距離延長を課題とする⾃動車業界では、車体のマルチマテリアル化による軽量化が重要な課題となっており、今後、炭素繊維のニーズが更に高まると見られている。
世界の炭素繊維の市場規模は、現在の年約6万トンから今後年率10%程度の成長が見込まれているが、より広範な普及を進めていくには生産コスト低減が課題となっている。
イーエルジー・ハニエル社は炭素繊維強化プラスチックの端材等を再資源化する独自の技術とノウハウを有している英国の製造販売会社で、世界で初めて商業生産ベースで二次加工(リサイクル)炭素繊維の安定生産を実現し、⾃動車産業や電子材料産業向け等に供給している。
イーエルジー・カーボン・ファイバー社はこれまで最終処分が困難であった炭素繊維強化プラスチックの端材等を再資源化することで、サステナブルな素材の提供に貢献すると共に、生産コスト低減を実現し、競争力ある素材を安定的に市場に提供することで、本邦の基幹産業である自動車業界が直面する課題の解決を目指している。
三菱商事は、今回の事業参画により、イーエルジー・カーボン・ファイバー社のグローバルな事業展開と二次加工炭素繊維の安定供給を確立し、持続可能な産業発展と低炭素社会の実現に向け貢献していく。
2018年12月21日