年頭所感 バンドー化学 吉井満隆代表取締役社長

2019年01月09日

ゴムタイムス社

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年を振り返りますと、国内では、神戸医療産業都市推進機構理事長として神戸にもゆかりの深い、本庶佑先生のノーベル医学生理学賞受賞に湧き、東京五輪や大阪万博への期待が高まる一方で、西日本豪雨や大型台風、地震など日本各地で相次いだ天災には、自然に対する畏怖の念を抱く一年にもなりました。産業界では、欧米やアジアにおいては、総じて堅調に推移し、日本も緩やかな回復基調が続いた一方で、米中の貿易摩擦に代表される保護主義的な貿易政策の流れは、各国を巻き込み、中国の景気の減速や為替変動など、世界経済への影響が顕在化し始めた年でもありました。

 このような中、当社グループでは、4月から中長期経営計画「Breakthroughs for the future未来への躍進」の第2ステージ(BF―2)がスタートし、上期の決算は、グローバル各地域、各事業セグメントともに伸長した結果、増収増益の業績を収めることができました。2018年度スローガンである『着実な一歩』を進めていった結果であり、良いスタートが切れたと喜んでおります。特に、新事業領域では、精密研磨材「TOPX(トップエックス)」がお客様から優れた性能をご評価いただき、販売が伸長しました。また、海外では、ベトナムハノイに新工場を稼働させ、ビジネスの拡大に対応するなど、今後の成長に期待できる成果がありました。さらに、当社の雀部名誉顧問が秋の叙勲において「旭日小綬章」を受章するという、大変おめでたいニュースがあり、従業員一同、喜びとともに一年を終えることができました。

 2019年度は、BF―2の2年目であり、いよいよ各テーマが本格的に動き出す、大事な年になります。足元の好業績に浮かれることなく、働き方改革を推し進め、業務プロセスの改善や、仕事の環境改善を通して生産性を向上し、イノベーションを創出・育成していかなければなりません。重要なことは、「頑張ったなり、できたなり」ではなく、やるべきことを達成するために設けたマイルストーンの達成に向けて、チームでしっかりとPDCAを回し、期限内に確実にやり遂げることです。今年は元号が変わり、平成最後の年になりますので、BF―2の最大のテーマである「新事業の育成」「現事業でしっかりと稼ぐ」という目標に向かって、働き方を変え、一人ひとりの英知と力を結集して、記録と記憶に残る年にしていきたいと考えております。

 2019年の干支は「己亥」です。干支は植物の循環の様子を表しており、己は、植物が十分成長し、形が整然としている状態を表すといいます。亥は、種に生命を引き継いだ状態で、翌年から始まる発芽に備えて、じっと固い種の中で新たなエネルギーを内に貯めている、そのようなイメージが亥の持つ意味だそうです。私たちも、新事業を含む機能製品といった「次の芽」の成長に向けて、足元の現事業をしっかりと固め、内なる充実を図って、次のステップに向けて堅実な準備をし、未来へ向かって躍進してまいります。

 本年も引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげ、新年に当たりましての挨拶とさせていただきます。

 

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