■ 新年インタビュー
課題解決し「成果を出す」年に
JSR 川崎弘一代表取締役・専務執行役員
JSRの中計「JSR20i9」は計画通り進んでいると語る川崎弘一代表取締役・専務執行役員に18年の需要動向を振りかえりつつ、設備投資、中計の進捗状況、19年の抱負について聞いた。
◆18年を振り返って。
18年度上半期は増収減益だった。減益の要因にひとつに、原材料高騰の影響でエラストマーや合成樹脂の売買スプレッドの一時的な縮小が要因だ。販売は全体的に堅調に推移した。
◆製品別では。
合成ゴムでは、国内はタイヤが堅調に推移した一方、中国が夏場から減少傾向となった。全体的には前年並みの動きだった。エラストマーは製品価格改定による売買スプレッドの改善を見込んでいるほか、S―SBRの拡販を進めていく。
合成樹脂は18年4月からテクノポリマーとユーエムジー・エービーエスが統合した新会社テクノUMGの運営がスタートし、半年が経過した。シナジー効果を生み出すのはこれからだ。デジタルソリューションは堅調に推移した。とくに、当社が得意をする先端ライン向けArFレジストなどが順調に販売を伸ばしている。ライフサイエンスでは、17~18年にかけ、Crown、Selexis(セレクシス)といった関連する企業に出資。創薬支援事業が着実に伸びてきている。この分野は将来性を期待し資源を投入した。中計目標としては売上収益500億円を目指していく。将来的には1000億円規模になれば、3本目の柱として位置づけできるだろう。
◆足元と通期の見通しは。
米中摩擦問題で、先行き不透明感が強いが、上半期はその影響を受けていない。タイヤが堅調に昨年比3~5%増の伸びでグローバルに成長していく見込みだ。またS-SBRも市場で7~8%伸びると予測。上半期は13%で成長している。下半期は若干伸びが鈍るかもしれないが、10%は超えて伸ばしていけるだろう。通期もこの流れでいくと、計画通りに進んでいくのではないか。
◆今期の設備投資は。
ハンガリーのS―