■ 新年インタビュー
事業拡大の契機となる年に
日本ゼオン 田中公章社長
日本ゼオンの19年3月期中間決算は、売上高が過去最高となった。今年はどのように事業を展開していくのか、今期が2年目の中期経営計画「SZ―20フェーズⅢ」の現況と合わせ、田中公章社長に聞いた。
◆18年を振り返って。
上期は過去最高の売上高となった。原料価格が比較的安定していて、為替が円安で推移した。高機能材料事業で在庫調整の影響を受けたが、当社全体では良好な外部環境だった。この状況は長く続かず下期には変わるだろう。米中貿易摩擦や欧州の政治不安など、下期に向け不安材料もある。
◆各事業について。
エラストマー事業は、上期はブタジエンの高騰が影響し、増収減益となった。足元でブタジエン価格が落ち着いたので、下期は上期ほどの影響はないのではないか。上期の投資としては、タイのアクリルゴムと川崎の特殊架橋型水素化ニトリルゴムの生産設備の増強を決定し、今後も特殊ゴムに特化しながら利益を上げる体質を整えていく。
高機能材料事業は、大型テレビ向けが全体的に堅調で、スマホ向けは一部メーカーの在庫調整などの影響を受けた。リチウムイオン電池用部材は、中国を中心に売上が伸びており、下期も拡大させたい。電材は、近く採用予定の製品もあり、大きく育つ事業だと期待している。
◆中計「SZ―20フェーズⅢ」について。
売上目標5000億円の達
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