バンドー化学の2012年3月期中間連結決算は売上高が428億8900万円(前年同期比0・4%増)となり、営業利益は22億7400万円(前年同期比25・1%減)、経常利益は22億7400万円(前年同期比26・1%減)の増収減益となった。国内の自動車等の生産は震災による期初の大幅減産があったものの、期中より回復してきたことやアジアを中心とする新興国の好調な需要に支えられ若干ながら増収を確保した。 しかし、収益面では総原価低減活動を継続するものの、原材料の高騰(影響額は連結で6億円)に加え、円高(上期81・7円 影響額12億5000万円)による影響等により減益となった。
当期純利益は工場跡地、遠隔地にある社宅等の資産処分費用を特別損失に計上、大幅減益となった。
伝動事業の売上高は266億9900万円、同3・8%増、営業利益は自動車用のOEM向けの落ち込みが響き34億6100万円、同14・2%減と落ち込んだ。
伝動事業は自動車用伝動ベルト製品(154億円、同5%増)が震災の影響を受け販売は減少したが、アジアを中心とする新興国の好調な需要に支えられた。一般産業用伝動ベルト製品(112億円、同3%増)は、射出成型機や半導体製造装置などの生産機械の需要回復や震災復旧からの設備補修や新設の需要増もあり、産業用Vベルトの売上も増加した。海外売上高比率は0・5ポイント増加し40%弱。伸び率が高いのが中国(天津)28%増、韓国20%増、タイ11%増の順。
コンベヤベルト、樹脂ベルト製品中心とする産業資材事業の売上高は83億2800万円(前年同期比2・2%減)の減収となったが、営業利益は総原価低減効果に加え、原材料高騰に対応した価格改定や鉄鋼向けコンベヤベルトの仕様統合がが寄与し、6億800万円(同23・3%増)の増益となった。運搬ベルト製品は火力発電所向け需要や鉄鋼・セメント市場の需要が持ち直したほか、軽搬送用ベルトは、食品加工メーカーへの販売が堅調に推移した。鉄道軌道製品や籾摺りロールなどの工業用品が減少した。
通期業績予想は歴史的な円高、原材料高騰、新興国での成長鈍化等に加え、タイの連結子会社は洪水による浸水被害を受けていないものの、自動車メーカーやOA機器などの同社顧客に生産縮小や停止が発生しているなど厳しい経営環境下にあるが、タイ洪水に伴う業績への影響は未確定であり、現段階では通期業績予想を据え置くとしている。