東ソーは1月23日、文部科学省ナノテクノロジープラットフォームが主催する平成30年度「秀でた利用成果」において、同社の開発課題「ジルコニアセラミックスの力学特性劣化機構の解明」が優秀賞を受賞したと発表した。
ファイン・セラミックスの一種である高強度ジルコニアは、高温大気や熱水中の厳しい環境下に長時間さらされると、結晶相変態による強度劣化のため常温使用に用途が制限されていた。この本質的な弱点を克服するため、同社は劣化モデルの立案とその特性改良に取り組み、従来の概念を覆す超高耐久性ジルコニアの開発に成功した。今回、東京大学微細構造解析プラットフォームの高度な解析技術を利用して、この劣化モデルの妥当性を検証すると共に強度劣化の仕組みを解明したことで、理論に裏打ちされた超高耐久性ジルコニアを産学連携で提案することができた。これまで制限されていた厳しい環境下での使用が更に拡大することが期待される。
秀でた利用成果は、ナノテクノロジープラットフォームの活用・支援が大きな効果をもたらしたもの、イノベーションの創出にあたって大きな影響が期待できるもの、産業界・大学・公的機関の連携により大きな成果が得られたもの、という三つの基準で審査され、イノベーションに繋がることが期待できるなど特に秀逸な成果に対して贈られる。
なお、今回受賞した開発成果を含む同社の高機能材料製品は、東京ビックサイトで1月30日から開催される「新機能材料展2019」に展示される。