信越ポリマーの2019年3月期第3四半期連結決算は、売上高は652億2500万円で前年同期比10・0%増、営業利益は64億3300万円で同19・2%増、経常利益は67億8100万円で同20・2%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は47億6700万円で同14・7%増となった。
セグメント別にみると、電子デバイス事業の売上高は156億8500万円で同6・6%増、営業利益は11億3400万円で同3・6%減となった。主力の入力デバイスは、自動車電装スイッチの種類や搭載車種の増加により、キースイッチとタッチスイッチの出荷が好調に推移した。また、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、従来製品の出荷が終息する中、新規製品が立ち上がった。ディスプレイ関連製品は、液晶接続用コネクターが低調だが、視野角制御フィルム(VCF)は新規の光学用途製品の売上げが加わって伸びた。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターがスマートフォン用部品の需要回復により出荷が伸びた。
精密成形品事業の売上高は283億4500万円で同11・4%増、営業利益は45億300万円で同17・3%増。半導体関連容器は、半導体業界の旺盛な需要を背景に300mmウエハー用及び小口径ウエハー用製品の高水準な出荷が継続し、売上げを大きく伸ばした。OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用現像ローラの需要が伸びず、売上げは前年を下回った。キャリアテープ関連製品は、高級スマートフォン用電子部品の需要回復があったものの、売上げは横ばい。シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品が堅調に推移して、売上げを伸ばした。
住環境・生活資材事業の売上高は154億200万円で同9・4%増、営業利益は5億3400万円で同115・5%増。ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向けの価格改定ができたものの、外食産業向けの価格改定が進捗せず、また、全体的に出荷が振るわず、売上げは前年並み。塩ビパイプ関連製品は、市場競争が激しい中、一部の価格改定ができたが、出荷量が伸びず、売上げは横ばい。機能性コンパウンドは、自動車用の需要に若干の減速感が現れたものの、ロボットケーブル用が好調な出荷を継続して、売上げを伸ばした。外装材関連製品は、市場低迷ながら特需もあり、新規取引先への拡販、価格改定、製品ラインナップ拡充により、売上げを伸ばした。新規事業製品である導電性ポリマーは、帯電防止剤用途や電子部品用途で大きく伸長した。
その他の売上高は57億9100万円で同14・7%増、営業利益は2億6000万円で同93・5%増となった。
通期の連結業績予想は前回発表から修正はなく、売上高が830億円で前期比4・6%増、営業利益が77億円で同6・8%増、経常利益が80億円で同10・0%増、親会社株主に帰属する純利益が57億円で同4・5%増を見込んでいる。