ニチリンの2018年12月期連結決算は、売上高は624億1300万円で前年同期比5・1%増、営業利益は84億4900万円で同0・8%減、経常利益は85億1200万円で同1・4%減、親会社株主に帰属する純利益が46億4400万円で同4・9%減となった。
セグメント別では、日本では顧客向け国内販売が堅調に推移したことに加え、海外需要もアジア向けで増加。さらに、昨年10月から新商品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の量産が開始されたことにより、売上高は330億5100万円、(前連結会計年度316億5100万円)、受注増に伴う労務費の増加により、営業利益は23億4300万円(前連結会計年度23億2300万円)となった。
北米については、好調な企業業績や雇用の安定を背景に堅調に推移しているが、日系企業が得意としてきたセダン車の需要が減少し、小型トラック・SUV車の需要が増加する傾向が強まっている。また、北米子会社では、5月から新商品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の量産が開始された一方で、主力製品であったパワーステアリング用ホースの需要が減少したことにより、売上高は119億800万円(前連結会計年度124億6400万円)、営業利益は5億3400万円(前連結会計年度6億5800万円)となった。
中国は小型車減税が廃止されたことに加え、先行きの不透明感から28年ぶりに新車販売台数が前年割れとなったが、販売台数の減少が米国メーカーに偏っていること、引き続きSUV車が好調に推移していること、カーエアコン用ホースが内外需とも拡大傾向にあることから、売上高は119億3600万円(前連結会計年度114億5200万円)、営業利益は18億200万円(前連結会計年度18億8700万円)となった。
アジアに関しては、ABS化による二輪用ブレーキホースの販売増に加え、新しく商品投入したフューエルホースの販売が堅調に推
移しており、売上高は157億円(前連結会計年度142億4000万円)、営業利益は37億3900万円(前連結会計年度37億5200万円)となった。
欧州では、売上高は58億900万円(前連結会計年度59億3800万円)となったものの、新規受注品に係る先行費用等があり、営業損失は2000万円(前連結会計年度は営業利益1億2100万円)となった。
2019年12月期通期の連結業績予想は、売上高が620億円で前期比0・6%減、営業利益が75億円で同11・2%減、経常利益が76億円で同10・7%減、親会社株主に帰属する純利益が44億円で同5・2%減を見込んでいる。