タイヤメーカー4社の18年12月期決算の非タイヤ部門は、増収増益が2社、減収が2社となり、明暗が分かれた。
◆ブリヂストン
ブリヂストンの非タイヤ事業である多角化部門は、ベルトやホース、免震ゴムなどの化工品事業に、スポーツ用品事業と自転車事業を加えたセグメントとなる。
この多角化部門では、化工品事業について抜本的な事業再構築を進めるとともに、海外の多角化事業や組織再編を実施したスポーツ・サイクル・AHL関連事業について経営改革を進めている。
18年12月期の多角化部門は、売上高が6187億円で前期比1%減、営業利益は89億円で同72%減。ソリューションを軸とした事業再構築のための一時的費用が発生したため、減益となった。
多角化部門の19年12月期の業績予想は、売上高が6000億円で前期比3%減、営業利益は100億円で同12%増を見込んでいる。
◆住友ゴム工業
住友ゴム工業の非タイヤ事業は、スポーツ事業と産業品他事業で構成されている。
18年12月期の合計売上収益は1263億円で前期比4%増、事業利益は95億円で同9%増となった。
このうち、スポーツ事業は、売上収益が845億円で同3%増、事業利益は55億円で同26%増。海外ゴルフ用品の積極的な拡販や、17年4月に買収した海外テニス事業が増収に大きく寄与した。
産業品他事業は、売上収益が418億円で同6%増、事業利益は40億円で同6%減。住宅用制震ユニットの販売が好調に推移し、OA機器用精密ゴム部品は主要メーカーのプリンター・コピー機生産増加により増収となったが、為替の影響や医療用ゴム部品のスロベニア新工場建設に伴う初期投資のため減益となった。
19年12月期の業績予想は、スポーツ事業の売上収益が870億円で前期比3%増、事業利益は45億円で同18%減、産業品他事業の売上収益は420億円で同1%増、事業利益は40億円で前年並みを見込んでいる。
◆横浜ゴム
横浜ゴムの非タイヤ事業は、MBとATGで構成されている。
18年12月期の合計売上収益は1865億円で前期比5%増、事業利益は159億円で同3%増となった。
このうち、MBの売上収益は1178億円で前期比3%増、事業利益は74億円で同5%減。ホース配管事業が国内外の建機、工作機需要が旺盛で増収となり、工業資材事業も国内外でコンベヤベルトの販売が好調で増収となったが、ハマタイト・電材事業と航空部品事業は減収だった。
ATGの売上収益は687億円で同8%増、事業利益は85億円で同12%増。農業機械用・産業車両用タイヤなどの