全社増収も8社が減益に 原料11社のゴム関連部門

2019年03月04日

ゴムタイムス社

 合成ゴム・化学メーカーの19年3月期第3四半期決算から、合成ゴムとエラストマー事業の現況をピックアップした。原料価格上昇や交易条件の悪化などから減益となる企業が目立った。

 ◆JSR
 エラストマー事業では、売上収益は前年同期を上回った。営業利益は、原料価格上昇によるスプレッドの縮小により、前年同期を大きく下回った。

 ◆日本ゼオン
 合成ゴム関連では、国内販売は堅調に推移し、海外子会社の売上高が前年同期を上回ったが、輸出販売は安価な天然ゴムの影響で市場価格が低迷し、前年同期を下回った。

 ◆三井化学
 エラストマーは、堅調な需要に的確に対応したが、原料価格上昇の影響を受けた。機能性コンパウンド製品は、主にアジア、欧州での堅調な需要に的確に対応した。

 ◆住友化学
 石油化学事業では、石油化学品は原料価格の上昇により、市況が上昇した。合繊原料やメタアクリルも市況が上昇した。コア営業利益は、千葉工場やシンガポールでの定期修繕の影響や交易条件の悪化などにより減益となった。

 ◆旭化成
 高機能ポリマー事業では、エンジニアリング樹脂の交易条件が改善したが、合成ゴムにおいて前年同期の交易条件が良好に推移した反動による影響を受けたことなどから、前年同期比増収、減益となった。

 ◆宇部興産
 合成ゴム事業は、タイヤ用途を中心に販売数量は増加したが、原料価格上昇の中で製品価格が下落したことなどにより、増収減益となった。

 ◆デンカ
 クロロプレンゴムは米国の子会社が寒波の影響により減産となるなど販売数量は減少したが、販売価格は改定が進んだ。

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