横浜ゴムは3月4日、ドイツのハノーバーで3月5~7日に開催される、世界で高い注目を集めるタイヤ技術会議「タイヤ・テクノロジー・エキスポ2019」にて技術プレゼンテーションを行うと発表した。
同社からタイヤ解析や材料に関するものが3件、グループ会社のATG(アライアンスタイヤグループ)からタイヤリサイクルに関するものが1件で、同社グループとして合わせて4件の技術を発表する。
同会議はヨーロッパで最も重要なタイヤ製造業に関連する技術展ならびに学術会議であり、タイヤに関わる最新技術や最先端の研究成果などが紹介される。英国のUKIPメディア&イベンツの主催で毎年開催されており、誰でも参加することができるため、世界各国の技術者にとっての交流の場となっている。
今回、同社はタイヤ振動解析、ゴム構造の補強、濡れた路面でのタイヤの接触挙動解析、ATGは使用後のリサイクルゴムの再利用について最新の研究結果を報告する。両社の技術開発の現状を公開し、それぞれの最先端技術への理解を深めてもらうことを目的としている。
同社宮下研究室・宮下直士氏による「逆畳み込み手法によるタイヤの振動解析」では、乗心地の良いタイヤを作るため、路面の凹凸がタイヤに与えた振動が車体側にどのように伝わるかを解析する際、画像解析や信号処理に用いられている「逆畳み込み」手法をタイヤの振動解析に適用した結果を報告する。
同社研究部・川添真幸氏による「セルロースナノファイバーによるSBR(合成ゴム)の補強」では、ゴムの補強材として将来有望なサステナブルマテリアルであり木材を原料とするセルロースナノファイバーによる補強の特徴について、従来から使われているカーボンブラックによる補強と比較しながら報告する。
同社網野研究室・中川隆太郎氏による「濡れた平滑路面上を滑るゴムの接触挙動解析」では、タイヤのウェット性能を向上させるため、ゴムが濡れた路面の上でどのように接触しているかを調べる際に、摩擦中のゴムが非常に速い周期で密着と滑りを繰り返していることを明らかにした結果を報告する。
ATGパルテバン・マノハラン氏による「リサイクルゴムの持続可能性と最適化」では、地球環境を保護し持続可能な社会を実現するための重要な課題である使用済みタイヤの再利用において、使用後のタイヤゴムを粉末化した粉ゴムをタイヤのゴムに少量添加して再利用するための最適な手法を報告する。