神島化学工業は、約220億円の売上の7割を建材事業が、3割を化成品事業が占める。前期は原材料と燃料の価格上昇が響き減収減益だったが、19年4月期は原材料と燃料の価格上昇でコストアップしている分を、製造部門でのコストダウンや販売価格への転嫁により吸収している状況である。
同社のマグネシウム製品は海水由来で供給と価格が安定し、口にしても安全なことから、少しずつ販売が拡大している。
化成品事業を地域別に見ると、日本国内は、高稼働の生産が続いている。アメリカ食添市場への販売も好調である。アジアは、需要が底堅く推移し、中国全体でも売上は上昇しているが、電子材料関連などで中国の内需減速の影響が一部に出た。同社のマーケットとしては米中共に影響が大きく、米中の貿易交渉の行方からは目が離せない。
一方、中国の環境規制は追い風だ。中国は世界有数のマグネシウム生産国で、鉱物を主原料とするが、鉱山の事故や無計画な生産、石炭系燃料の使用などが安全面・環境面から問題化し、生産量が減少。今後も国の管理は強まりそうで、従来の