財務省貿易統計を基に、日本ベルト工業会がまとめた18年1~12月の国別輸出入実績によると、輸出総額は392億6300万円で前年並みとなった。
輸出先1位は米国の72億7200万円で前年同期比11%増、2位は中国で50億8700万円で同8%減となり、上位2ヵ国の順位に変動はなかった。以下、3位は香港(同1%減)、4位は台湾(同8%増)、5位はドイツ(同33%増)となり、前年7位のドイツが5位に上昇した。
品種別に見ると、コンベヤベルトの輸出額は97億3100万円で同9%増となった。仕向け先の1位は豪州の13億3600万円で同24%減となり、前年の同2%減からさらに落ち込んだ。資源価格上昇を受けて、豪州の資源産業の収益環境は改善に向かいつつある。ただ、国内コンベヤ各社は日本からの輸出ではなく、豪州から近いアセアンに生産をシフトしている。このことが輸出額の減少につながったと見られる。なお、豪州全体の構成比は13・7%。
一方、2位の米国(同107%増)、3位のチリ(同185%増)は大幅な伸びをみせた。チリは銅やモリブデンやリチウムなどの豊富な鉱物資源を有する。資源価格の上昇に伴い、同国へのコンベヤベルト輸出も増加傾向にあるようだ。なお、4位はペルー(同4%減)、5位はフィリピン(同36%増)となった。
一方、伝動ベルト合計の輸出額は295億3100万円で同2%減となった。伝動ベルトは自動車のエンジンを中心に、一般産業機械などの内部で動力や回転を伝達する役割を担っているが、ベルトメーカーが現地生産対応を強めるなかで、伝動ベルトの輸出額も減少基調にある。
なお、国別の1位は米国の59億8200万円で同1%増、2位は中国で47億7800万円で同6%減。3位は香港で同3%減、4位は台湾で同8%増、5位はドイツで同35%増となっている。
品種別では、Vベルトは107億1500万円で同5%減。1位は米国(同3%減)、2位は台湾(同14%増)、3位は中国(同8%減)となった。
歯付ベルトは56億7500万円で同3%減。1位は中国(同13%増)、2位は米国(同13%増)、3位はインドネシア(同6%減)となった。
その他ベルトは131億4100万円で同1%増。1位は米国(同2%増)、2位は香港(同2%減)となり、この2ヵ国の合計で全体の4割以上を占める。3位は中国(同12%減)となった。
1~12月の輸入総額は85億9500万円で同16%増となった。国別の1位は中国で同69%増の34億1100万円、構成比では39・7%を占める。2位はインドネシア(同12%減)、3位はタイ(同2%減)、4位は台湾(同19%増)、5位はスイス(同3%減)となった。
品種別では、コンベヤベルトの輸入額は40億7100万円で同59%増となった。国別の1位は中国で28億1400万円(同98%増)で、構成比は69・1%となった。2位は台湾(同22%増)、3位はベトナム(同32%増)。4位にスイス(同12%増)が入った。
伝動ベルト合計の輸入額は45億2500万円で、同6%減となった。1位は前年同期と同じくインドネシアで同12%減、2位には同2%減のタイが入った。3位は中国(同1%増)。
品種別では、Vベルトは27億4800万円で同7%減。輸入の半分近くを占めるインドネシアが同9%減、2位はタイ(同3%減)、3位は中国(同4%増)。
歯付ベルトは1億5000万円で同3%増となった。1位はドイツ(同26%減)、2位はシンガポール(同44%増)、3位は中国(同91%増)。
その他ベルトは同7%減の16億2700万円。1位は中国で同4%減、2位はスイス(同8%減)、3位はタイ(同3%増)となった。