合成ゴムの原料である国産ナフサの2018年10~12月の価格は、5万4200円/kl(以下、同)となり、7~9月に続いて5万円台となった。
18年の国産ナフサ価格の四半期ごとの推移を見ると、1~3月が4万7900円、4~6月が4万8700円、7~9月が5万3500円で、各四半期とも前年同期を大きく上回った。
国産ナフサ価格の基になる18年の輸入ナフサ価格は、5月以降、上昇基調で推移した。1月の4万6930円から、2月に4万6844円と小幅に下落した後、4月の4万3675円まで下落が続き、5月に4万6697円と4ヵ月ぶりに上昇、8月の5万1777円まで上昇が続いた。9月は5万1707円と小幅な下落に転じたが、10月は5万3580円と再び上昇、11月も5万4812円(1232円高)上昇が続いたが、12月は4万8426円と大幅に下落した。
ナフサ価格に影響を与える原油価格(WTI先物価格)は、堅調な世界経済を背景に、17年秋口から上昇基調が鮮明となり、18年初めに60ドル台に乗せ、8月には70ドル台を突破した。その後はイラン産原油の減産懸念などで、10月初旬には77ドル近くまで上昇した。ただ、10月中旬に70ドルを割り込み、11月には50ドル台半ば、そして12月は50ドルを下回るまで急落した。米中貿易摩擦による中国経済の減速懸念や、OPECや米国での原油生産拡大などが背景にあると見られ、この原油安がナフサ価格下落に影響を与えていると推察される。
2019年03月22日