住友ゴム工業は3月7日、タイヤセンシング技術「センシング・コア」が「タイヤ・テクノロジー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したと発表した。
タイヤ・テクノロジー・エキスポは、2001年より毎年欧州で開催されているタイヤ製造等に関する技術発表・展示会で、タイヤメーカーをはじめ素材メーカー、公的研究機関などがその研究成果を発表し、5つの分野で優秀な技術を表彰するもの。同社が受賞するのは2010年の「第4世代ランフラットタイヤ技術」、2017年の「新材料開発技術ADVANCED 4D NANO DESIGN」に続き3度目となる。
受賞の対象となったセンシング・コアは、タイヤの回転により発生する車輪速信号を解析し、路面の滑りやすさやタイヤにかかる荷重などの情報を検知する技術。同技術を発展させることで、入手したデータをクラウド経由で街・社会の情報に統合すると、データを入手した車両は路面やタイヤに起因する危険をあらかじめ察知し、回避することが可能となる。
同社では、「さらに高い安全性能」「さらに高い環境性能」を実現するためのタイヤ技術開発コンセプト「スマートタイヤコンセプト」を掲げており、センシング・コアはその中核となる技術の一つとなる。
3月6日に開催された授賞式には、オートモーティブシステム事業部DWSビジネスチームリーダー川崎裕章が出席し、「タイヤは車の基本性能を左右するコア部品の1つで、タイヤ無しに走行することはできません。次世代モビリティ社会における自動運転やカーシェアリングを考えると、そのようなタイヤの重要性はますます高まると言えます。センシング・コアは、タイヤそのものをセンサーに変える新しい技術であり、付加的なハードウェアなどのセンサーを必要とせず、私たちが独自に開発したソフトウェアアルゴリズムによって、タイヤのグリップ状態や荷重などを検知することができます。自動運転や安全なモビリティ社会の実現に貢献できる技術の1つであると信じています」と述べた。
今回の受賞は、自動車産業を取り巻く環境が大きく変化していく中、タイヤの製造に留まらない先進的な取り組みと、その技術の実現が評価されたものとし、同社は今後も技術開発を進め安全で環境負荷の少ないモビリティ社会の発展に貢献していく。