旭化成は3月14日、リチウムイオン二次電池(LIB)用セパレータの生産品目・製造ラインの統廃合などにより、湿式膜の「ハイポア」を年産約3億㎡、乾式膜の「セルガード」で同約1・5億㎡の合計年産約4・5億㎡の能力増加を行うと発表した。増産は設備投資額約300億円をかけ、滋賀県守山市、米国ノースカロライナ州の既設敷地内で実施され、2021年度上期の商業運転開始を予定している。
同社グループ全体の生産能力は、昨年度末時点で湿式膜が年産約4・1億㎡、乾式膜が同約3・2億㎡の合計同約7・3億㎡の生産能力を有している。
現在建設中の生産設備の完成に伴い、来年度には湿式膜が同約7億㎡、乾式膜が同約4億㎡、合計同約11億㎡となり、同社グループ全体の生産能力は2021年度に湿式膜が同約10億㎡、乾式膜が同約5・5億㎡、合計同約15・5億㎡まで増加される見込み。さらに、同社では今後の需要動向を見極めつつ、2025年頃には湿式膜・乾式膜合わせて約30億㎡の生産体制を目指し、顧客のニーズに応える体制を整備する方針。
同社では、LIB市場は電気自動車等の車載用途や電力貯蔵(ESS)用途を中心に急速に成長していると見ており、LIB用セパレータとして湿式膜の「ハイポア」と乾式膜の「セルガード」の双方を手がけるメーカーとして世界No・1のポジションを確立し、積極的な事業拡大を図るとしている。