DIC米子会社が設備新設 PPSコンパウンド北米進出

2019年03月20日

ゴムタイムス社

 DICは3月19日、同社の100%米国子会社DICイメージング・プロダクツUSA内に、グローバルトップシェアを誇るPPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンドの生産設備新設、2020年秋の稼動を予定していると発表した。

 同社のPPSコンパウンド生産の北米進出は今回が初めてとなるしている。同投資により、グループ全体の供給体制は世界5地域(日本、中国、東南アジア、欧州、北米)に整い、生産能力は年産3000t増強、全体では4万6000tに拡大する。

 PPSコンパウンドは、スーパーエンジニアリングプラスチックの一種で、高い耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などの優れた特性を有する樹脂材料。同社製品は、金属の代替品として自動車関連材料、電気・電子部品、住設機器などに使われている。

 近年は特に自動車関連材料のシェアが伸びており、背景にあるのがエコカーと言われるハイブリッド車や電気自動車の普及で、エコカーは金属部品をPPSに置き換えて車体の軽量化と燃費向上を図っているため、ガソリン車に比べてPPSの使用量が2~3倍と言われている。

 このような旺盛な需要拡大を背景に、PPSコンパウンドの世界市場は2021年には20%超(2017年比)の成長が見込まれている。

 同社グループの生産および技術サービス拠点は、自動車関連材料の需要地において独自のコンパウンド技術を駆使した製品の提供が実現可能。今回の北米での供給体制構築は、同地域の需要拡大に応えるものとして安定供給とリードタイムの短縮、要求品質を満たす製品開発力の強化などを目的としている。また、欧米地域において印刷インキをはじめとした事業を築いた強固な販売チャネルを有する同社100%米子会社サンケミカル社が、本格的にPPSコンパウンドの販売を開始することで、販売網の急拡大を実現していく。

北米生産拠点

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