流体の移送や油などを介した圧力の伝達を行うゴム・樹脂ホースは、自動車産業を始め、建設機械や工作機械、一般産業用など幅広い産業で使われている。時代とともにホースに求められるニーズも変わるなか、ホースメーカー各社はこれら需要先のニーズに応えた製品開発にしのぎを削っている。
18年のホースの需要動向を振り返ると、自動車を中心とする各種産業界の堅調な需要に支えられ、ゴム・樹脂ホースとも安定した伸びをみせた。
日本ゴムホース工業会がまとめた2018年のゴムホース生産量(新ゴム量)は3万8835tで前年比4・9%増、出荷金額は1445億4400万円で同3・9%増となり、数量・金額とも2年連続で前年実績を上回り、生産量はこの10年で過去最高となった。
生産量全体の3分の2を占める自動車用が順調に推移したことや、建設機械や工作機械向けの高圧用が好調なことも後押しした。特に、建機向けの高圧用ホースはフル生産の状況が続いている。
品種別に細かく見ると、自動車用は生産量が2万4812tで同2・9%増、金額は1079億7200万円で同4・0%増。国内自動車生産は前年並みとなったが、輸出は米国に加え、中国やアセアンなどアジア向けも堅調に推移した。
高圧用は生産量が6537tで同20・0%増、金額は203億100万円で同10・2%増となり、どちらとも2桁増となった。建機向けについては今年も油圧ショベルやミニショベルなどは高原状態が続くとし、安定した伸びが続くと見ている。一方、工作機械向けは工作機械の受注額が昨年10月以降4ヵ月連続
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