TPE特集 特集概要 TPU出荷は3年連続で2万t超

2019年04月08日

ゴムタイムス社

 加工温度では軟化して流動性を示し、使用温度では加硫ゴムに近い特性に戻る熱可塑性エラストマー(TPE)は、軽量で成形加工性や生産性、リサイクル性に優れることから、塩ビや加硫ゴムの代替材料や、ポリプロピレンなどの添加剤・改質剤として、年々需要が広がっている。
 TPEのうち、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)は、出荷実績が3年連続で2万tの大台を突破した。
 TPU工業会がまとめたTPUの出荷実績によると、ディーアイシーコベストロポリマー、日本ミラクトラン、BASFジャパン、大日精化工業の4社合計の2018年の出荷量は、2万3025tとなり、過去最高を更新した。このうち、国内出荷は、主力の押出成形品が堅調に推移したことから前年比6・7%増の2万2030tとなり、前年に続き国内出荷だけで2万tを超えた。一方、輸出出荷は同7・8%減の995tと、1000tを割り込んでいる。
 国内出荷を成形法別に見ると、自動車部品、機械・工業部品、靴底向けの射出成形品が同3・5%増の3667t、ホース・チューブ、コンベヤベルト、Ⅴベルト、フイルム、電線ケーブル向けの押出成形品が同5・7%増の1万2038t、カレンダー成形やパウダースラッシュ成形などのその他が同12・3%増の6074tと、それぞれ伸長した。コーティングは、同20・6%減の251tだった。
 TPUは、力学的性能、耐摩耗性、弾性回復性、耐油性、屈曲性に優れ、通常のプラスチック成形加工法が適用できる。低VOC、ノンハロゲンで環境負荷を低減させる点でも評価が高まっている。

 

 

専用グレードで需要に対応

 最もポピュラーなTPEであるスチレン系エラストマー(TPS)は、

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